医療法人社団 山中胃腸科病院【公式ホームページ】

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2023/11/29
2023/11/29 ブログ

偶発腫瘍 
画像検査で偶然に発見される腫瘍(良性悪性を問わず)を偶発腫瘍(incidentaloma)という。
その有病率および転帰がある論文で報告されている。
 その結果、発見された部位にばらつきがあった。例えば、胸部CTにおいて、3分の1以上に認められたとのことだ。また、その悪性率は、脳、耳下腺および副腎で5%未満だったのに対し、腎、甲状腺や卵巣で約25%、さらに、乳房で42%と最高であったという。
(論文:O’Sullivan JW et al. Prevalence and outcomes of incidental imaging findings: umbrella review. BMJ. 2018 Jun 18;361)

臨床現場において、例えば、肝臓の検査ために腹部CTを撮ったら、腎臓に腫瘍が偶然見つかったということだ。ラッキーというしかない。

小生の最近の経験を次に示す。
肺の検査目的に胸部CT検査をしたら、左乳房に腫瘍が見つかった。
早速、乳腺外科に紹介した。
発見された腫瘍は良性であった。ところが、右乳房に早期がんが発見されるという珍事が起きた。
巡り巡って・・・、塞翁が馬。

 小生のこころの空に虹がかかっていた。

2023/11/28
素朴な疑問

 日本の司法における部分社会論に、「団体内部の規律問題については司法審査が及ばない」とする法理がある。「部分社会の法理」とも言われる。

 司法審査がどこまで可能であるかという判例をみると、「部分社会の内部の紛争は司法審査が及ばず、外部にまで影響を受けるものは審査の対象になる」と解釈できる。しかし、内部紛争の審査ができないとまでは言えず、部分社会の性質によって個別に判断を要するとされる。

 例えば、学生・生徒の校則違反や従業員の就業規則違反に対しての制裁は、学内制裁(退学など)や社内制裁(懲戒解雇など)の根拠になるが、賠償請求などの司法審査の対象とはならない。

少し難しいが・・・

 団体の内部事項に関する行為について、例えば、地方議会や大学などの内部紛争に関して、法律上の係争であれば司法審査に服するという原則の例外を認めている。純粋に内部事項の場合、事柄の性質上、それぞれの団体自治を尊重して司法審査を控える場合がある。

 ここでは、部分社会論という考え方が採用されている。これは、大学であれば大学内での法規範、協会であれば協会内での法規範、というように多様なコミュニティの中に各々ある自律的な法規範の存在を認め、法秩序の多元性を認める考え方である。

 このような考え方のもとでは各コミュニティー内での自律な法規範による組織と運営が尊重される。そこで、国立大学の単位認定が争われた富山大学事件(最判昭和52.3.15)で、最高裁は次のような判決を下している。

 大学は「一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成している」として、「単位授与行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情がない限り、純然たる大学内部の問題として大学の自主的・自律的な判断に委ねられるべき」とした。また、同時に学生が専攻科修了の要件を充足したにもかかわらず、大学がその認定をしないときは司法審査の対象になるとしている。

そこで・・・

 部分社会の法理は、「自分たちの領域(職場)では、自分たちのルールでやりなさい」ってこと???

 国(司法)は介入しませんよってこと???

そこである疑問が発生した。当てはまるかどうか分からないが・・・。ただし、資格取得者には、特段の問題がないものとする。

1.「国家資格①(普通自動車免許)を使ってはいけない」という職場の規定は、是(正)か?非(誤)か?

2.「国家資格②(解剖資格)を使ってはいけない」と病院の規定は、是(正)か?非(誤)か?

ちなみに、

 1.はあり得ないと思うので、非と考える。

 2.は自験例であり、是だった。

2023/11/27
思い出した短い夢

 かなり前のこと。横浜から四日市に帰ってきた頃だったか・・・。

 高校時代の彼女。確か、思いっ切りフラれた記憶がある。失恋・・・。

 その後、心の傷は癒え、大学生活を満喫したので、全く意識していなかったのだが・・・。

 三重県に帰ってきて、心境に変化があったのだろうか・・・?

  夢はこうだ。ナレーションチックだった。幻聴か?

   今、彼女がそちらに近鉄電車で向かっています。

   近鉄富田駅で降りてそちら行きますと。

   縒り(より)を戻して、結婚しようと言っています。

 そんなはずは絶対ないだろう。胸苦しさのなか、目覚めた記憶がある。

小生の深層心理はいかに?

 三重県を離れるきっかけになった失恋とは言い切れない・・・。

 志望校を変更して強引に受験し、運良く合格しただけ・・・。

 成功して帰郷したわけでない。凱旋でない。むしろ、敗走して逃げ帰ってきた。

 そんな立場で、かつて破恋した相手を迎え入れる心の余裕はあるはずもなく・・・。

 夢にもミスがあるのだろうか?夢に破れたという珍事か?

2023/11/26
映画『ワンダー 君は太陽』(2017)

(小生、アマゾンプライムで視聴済)

 ヘルメットをかぶって暮らしている主人公は、オーガスト・プルマン(オギー)という10歳の少年。顔の頬骨や顎の骨が未発達のまま生まれてしまう「トリーチャーコリンズ症候群」という先天性疾患。目が垂れ下がるために顔が変形し、見た目に悩み苦しむ少年の姿が描かれている。

 幼少時から母(イザベル)と自宅で勉強を続けてきたオギー。

 小学5年生になって初めて学校へ通うことになる。同級生3人から学校案内され、実際に学校へ通うことになった。しかし、オギーの外見が人と違うため、クラスメイトから差別や偏見、いじめを受けるようになる。オギーはだんだん塞ぎ込むようになっていく。しかし、周囲の理解が少しずつ実っていく。

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 充実した1年はかけがえのない人生経験となり、修了式のオギーの表彰でクライマックスに。

 壇上にあがってメダルを授与され、生徒や先生、友達、家族から盛大に祝福された。

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 「人をいたわれ みんなも闘ってる 相手を知りたかったら やることは1つ よく見ること」

  この言葉は身に染みた。見た目だけで判断するな。中身を見よと。

2023/11/25
レインボー菊

 これはカラフルな菊ですね。

花びらに鮮やかな色をつけるレインボーカラーの花たち。茎の部分をいくつかに裂け分けて、それぞれをさまざまな色の食紅で溶いた水につけて、1~数日間置いておく(時間をかけて吸わせておく)と、花びらを好きな色に染めることができるそうだ。

白いカーネーションを青インクにつけて、青いカーネーションを作っていることを聞いたことがある。
その応用から、白い菊をベースに作るのだろうなあ。

それにしても鮮やかだ。

2023/11/24
コロナ禍を振り返る③

 尾身 茂(著)の「1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録」

 コロナ国内侵入の初期。状況の混乱に専門家として対応。忙殺された政府を、ある意味、救世主的に水面下で準備している。

 用意周到な専門家集団。しかし、データが足りない。発信しなければならない立場。

 専門家同士の衝突など、会議内の裏舞台が赤裸々に描かれている。

 医師は技官。官僚も技官。国家試験に合格した立場。国家に認められた存在。

 政治家は国民によって国政選挙で公式に選ばれた存在。国家の政策を決定できる立場にある。

 立場の違い。しかし、専門家集団も鵜呑みにはできないというプライド。

 ちなみに、国の分科会は分野ごとの会議であり、国家の要請に対する諮問機関である。

 小生、かつて事務局として分科会に参加経験がある。専門家の重鎮が参集しており、厳かな雰囲気をひしひしと感じとった。

 最高決定会議であるわけで。

2023/11/23
コロナ禍を振り返る②

 尾身 茂(著)の「1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録」

 エビデンスが不十分な中での試行錯誤。日曜日に集まっての勉強会。

 (当院は日曜診療。苦難に耐えていたころ、専門家集団も苦難に立ち向かっていた。共感できる。)

 「半歩先の対策」。強弱をつけた「ハンマー&ダンス」。

 専門家に対するリスペクトがないという不満に耐えて。

 といいながら、安倍首相と尾身氏は記者会見に臨む。

 8割おじさんの出現。確かに、第1波は低かった。疫学研究の重要性を再認識。

 「ルビコン川を渡りますか?」と故事を引用。命を懸けて政府に立ち向かう。

 (「ルビコン川を渡る」という表現は、「後戻りのきかない道へと歩み出す、その決断を下すこと」を意味する。)

2023/11/22
2023-2024年末年始の健診について

2023-2024年末年始の健診について

2023/11/22 ブログ

あえて言おう「2年目の正直」
 一般に言う、「三度目の正直」でない。

ここで一句。

挫折後の 
ふいと出会い妃 
再起させ

小生、挫折後に出会った女性が再起させたという経験が多かった。
 回復過程において、実力以上の実力を発揮させてくれた。これは、まぎれもない人生の奇跡だろう。独学ピアノ伴奏もしかり。「2年目の正直」だ。
挫折後に、適応障害を発症していた。経験的に、「適応障害の回復には2年という月日がかかる」と考えている。
この回復期は貴重で有意義であろう。しかし、この時期に無理は禁物。なぜなら、失敗が案外目立つ。「慎重かつ丁寧に」を心がけるべし。不完全な時期。

2023/11/21
病院の裏事情

以下のニュースが報道された。

・・・三重県の志摩市民病院の江角悠太病院長がパワーハラスメントを行ったとして、停職1か月の懲戒処分を受けました。志摩市によりますと、江角病院長は2019年、当時の事務長に対して「あほか、お前は」「ばかなのかお前は大丈夫か」などの暴言を放ったほか、人格を否定するような発言でパワーハラスメントを行ったということです。去年5月に元事務長が市に相談して調査が行われ、江角病院長は市の聞き取りに「指導の一環でハラスメントの認識はなかった」と話したということです。志摩市の橋爪政吉市長は「志摩市民病院の管理職によるハラスメント行為により、市民の皆様の信頼を損ねたことを深くお詫び申し上げます」などとコメントしています。

小生のコメント

・・・かつて、困難な状況を乗り切った江角先生に敬意を表します。

・・・現況において、暴言はよくないとされていますが、人間ですから。

・・・最高責任者である以上、心中穏やかでないこともあるでしょう。理解できます。

・・・作為(暴言)と不作為(無視)のバランス。難しいですよ。小生は適応障害という持病がありますので、そもそも無理です。

・・・しかし、「沈黙は金、雄弁は銀」という格言があり、さらに難しいですよ。

・・・医療バカ(患者本位)だけでは通用しない社会なんでしょう。その典型例(失敗例)がまさしく小生です。

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