ymnk-hsp-user
- 2025/09/07
- 2025/09/06
-
患者さんに褒められた「五積散」
漢方を始めてやがて20年。独学メインでやってきた。
現在、漢方家庭医。四日市医師会東洋医学研究会メンバー。
先日、小生が処方した漢方薬「五積散」がよく効いたとある患者さんが称賛してくれた。非常に光栄であった。外来中に幸福感に浸ることができた。
小生は、この患者さんをクーラー病的夏風邪と診断し、五積散証(五積散が効く体質かつ病状)と判断。
ちなみに、「証(しょう)」とは、人それぞれの体質(体力、抵抗力、症状の出方など)をあらわす指標のこと。
「クーラー病」的症状は、冷房環境による冷えと気血のめぐりの悪さが原因。
少し難しいので・・・症状として表現すると、頭重感、肩こり、食欲低下、胃腸虚弱、関節痛、筋肉痛、微熱、悪寒、倦怠感、鼻汁や咳などの風邪様症状だろう。
五積散は、蒼朮(そうじゅつ)、 陳皮(ちんぴ)、 当帰(とうき)、 半夏(はんげ)、 茯苓(ぶくりょう)、 甘草(かんぞう)、 桔梗(ききょう)、 枳実(きじつ)、 桂皮(けいひ)、 厚朴(こうぼく)、 芍薬(しゃくやく)、 生姜(しょうきょう)、 川芎(せんきゅう)、 大棗(たいそう)、 白芷(びゃくし)、 麻黄(まおう)とその構成生薬の多さと処方の成り立ちから、漢方薬の合剤と考えることができる。
小生は、平胃散(蒼朮・厚朴・陳皮・甘草)+桂枝湯(桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草)+α(桔梗湯や当帰芍薬散類似)と考え、全体的な風邪(夏風邪の典型)に有効と考えている。つまり、「クーラーで冷えて風邪引いた」的な病状に効くと考えている。
最後に、専門的にカッコよく述べると、五積散は、「冷えによる多様な不調」「慢性化した軽い痛み、胃腸障害、自律神経症状」といった単一処方では対応しきれない複合的な病態に対して、(理気・活血・去寒・健脾・去湿の機能をすべてカバーできる)多機能型合剤漢方ということになる。
- 2025/09/05
-
ここまでしないといけないのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
千葉県習志野市にある菜園。地域住民に喜んでもらうため、今年の7月18日から野菜畑の一角に「ひまわり回廊」をつくり無料開放していたという。
ところが、ひまわり全てが刈り取られるという事態に。更地となったひまわり畑。多くの人が詰めかけた「映えスポット」が突然なくなった。看板に「7月27日をもちまして終了いたしました」という貼紙が。イベント中止。
その理由は、予想をはるかに超えて押し寄せた外国人観光客による迷惑行為という。近隣住民いわく、「違法駐車」や「私有地への無断侵入」。住民の私生活に大きな支障が出たと。
更地となったヒマワリ畑。期待してやってきた観光客は、変わり果てた姿にショックを隠しきれないそうだ。悲しい結末に。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
違法性を帯びる事実が山積されたから仕方ないなあ。
苦渋の決断をした関係者にお見舞い申し上げます。 - 2025/09/04
-
報怨以徳
これはしたり・・・何とも不思議な短い夢を見た。
小生にとって、人生最悪の上司2名。
二人とも小生に向かってやさしく接してきた。いずれもかつての職場。
このような二人の態度は意外も意外。どのような風の吹き回し?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、人工知能の夢判断。
夢の内容の整理
登場人物:人生最悪の上司2名(現実に存在した)
夢の中の態度:やさしく接してきた(現実とは異なる態度)
背景:かつての職場
小生の感想:「意外も意外」「どのような風の吹き回し?」夢の象徴的意味と解釈
- 過去との「和解」や「昇華」の兆し
この夢は、過去に小生にとって「人生最悪」とまで感じた上司たちとの関係が、無意識の中で「癒し」や「変容」を遂げつつあるサインかもしれません。
夢の中で彼らが「やさしく接してきた」というのは、小生の心の深層において、
彼らとの関係を乗り越えた、
あるいは、自分の中の怒り・恨み・屈辱が、少しずつやわらいできている、
という心の動きが反映されていると考えられます。- 「内的な統合」の象徴
夢に出てくる人物は、実際のその人というよりも「小生の内面の一部」を投影した存在です。たとえば、厳しい上司たちは、かつての「自己批判的な声」や「過度な自己要求」を象徴していた可能性があります。それが、夢の中でやさしくなるというのは、小生自身が「自分をいたわる」「許す」「柔らかく見る」という視点を取り戻しつつあることの表れかもしれません。 - 「過去の権威への再評価」
年齢や立場、経験の変化に伴って、かつては「人生最悪」と思っていた人物の一部に、「ああ、あの人もこういう部分があったのかもしれない」と再評価が生まれつつある段階にも見えます。夢の中では、それが極端に優しい態度として象徴的に描かれているのかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そういえば、小生も落ち着いて、不思議と心穏やかに相手に接していたのだった。
小生も成長したってこと? - 過去との「和解」や「昇華」の兆し
- 2025/09/03
-
ああ新横浜駅
関東の学会では必ず立ち寄るところ。懐かしい駅。かつて、よく行きました。
米沢牛と横浜焼売(しゅうまい)弁当
2024(令和6)年12月2日、新横浜駅で発売開始。
調製元は山形県のJR米沢駅の駅弁屋。販売元は東海道新幹線の各駅で駅弁を販売するJR東海リテイリング・プラス。なお、この弁当は米沢でも東名阪の各地でもなく、新横浜駅に限り売られているという。
内容・・・半分弱に白飯を詰めて牛すき焼きで覆い、残る半分に焼売(しゅうまい)5個と醤油と辛子とさくらんぼ、続いて山形の芋煮を思わせる煮物3点と青菜の醤油漬と玉子焼とかまぼこ。
ちなみに、明治4年(1871年)に米沢へ教師として赴任した英国人が、1875(明治8)年に任期を終えて横浜の居留地へ戻る折り、お土産として持ち帰った牛が横浜の外国人や牛肉卸や牛鍋屋で評判となり、現在の米沢牛の銘柄を確実なものにしたという。
- 2025/09/02
-
武士道とは
新渡戸稲造(国際連盟・初代事務次官)が書いた「武士道」は、日本の武士の生き方や考え方をまとめた本。英語で世界に広めた。
悲しい過去:実際、1946年からGHQが断行した「禁書・焚書リスト(Confiscated Publications)」の中に含まれていたという証拠がある。
武士道に出てくる主な7つの徳:
正義:自分が正しいと思うことを貫く力。ズルや不正をしない心。
勇気:こわくてもやるべきことに立ち向かう強さ。
思いやり(仁):弱い人や困っている人にやさしくする心。
礼儀(礼):相手を大切に思い、きちんとふるまうこと。マナーだけでなく気持ちを込めること。
誠実:ごまかさず、まっすぐ向き合う。正直に行動する。
名誉:自分の信頼とプライドを守ること。誰も見ていなくても恥ずかしくない行動をする。
忠義:家族や仲間、信じる人を裏切らない。信頼を守ること。武士道が生まれた背景と新渡戸が書いた理由:
新渡戸は、外国人から「日本には宗教による道徳教育がないが、どうやって人に善悪を教えているのか」と聞かれました。そのとき、新渡戸は「日本には武士道がある」と答え、武士道を世界中に伝えるために本を書いた。
まとめ:
武士道は「どう生きるか」を教える大切な考え方。正義・勇気・思いやり・礼儀・誠実・名誉・忠義の心を大切にする。小生の名前にも「仁」が使われている。
これら七つの徳には、十分な価値があるので、疎か(おろそか)にできない。 - 2025/09/01
-
外来診療より淵田則次医師休診のお知らせ
令和7年10月12日(日)午前の淵田則次医師による外来診療は都合により休診とさせていただきます。
-
外来診療より田矢医師休診のお知らせ
令和7年10月11日(土)午前と10月12日(日)午前の田矢医師による外来診療は都合により休診とさせていただきます。
-
蓮にまつわる昔話を紹介します。山形県の昔話。
~蓮の葉往生(はすのはおうじょう)~
むかし、むかし。
江戸表(えどおもて)に、蓮の葉往生という場所が一時できた。
そこへ行けば、蓮の花の中に入って眠るように死ぬことが出来るというので、町から村へと、村から集落へと伝わってなにがしかの小金を持って、列をなして皆、蓮の葉往生へ行った。
その頃、庶民には暮らしにくい世の中が続いていたらしい。年貢の取り立ては厳しいし、仕事にあぶれた人がいっぱいいたし、家の中では嫁と姑がいさかったり、年寄ってくるとゴクツブシという目で見られて身のおきどころがなくなって、いっそポックリ死にたいっていう人々が大勢いた。
そんなこんなのところへ蓮の花に包まれて眠るように死んでいく。今日も何十人と、明日も何十人と。
大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)が、「これは放っておけん」と、秘かに調べはじめた。
ところが、そこへ行って遠くから見ていると、素晴らしい笛の音や太鼓の乱れ打ちがあったりで、けっこう気うつがとれる。そして、その音曲と蓮の花に包まれて、眠るように死んで行く。お坊さんのお経のよむ声も聞こえている。列に並んで待っている年寄りに訊いてみても、皆が皆、「蓮の花に包まれて死ねるのは嬉しい」と待ち切れないような顔をして言う。
大岡様は自分でもどこがなにして放っておけないのかわからなくなった。
奉行所へ帰って思案していたら、やっぱり得心(納得)しなかった。
ひとつは、自ら命を捨てに来ていること。
ひとつは、蓮の葉往生のあの場所が金を受け取っていること。
ひとつは、蓮の花に包まれたら何故死ねるのか判っていないこと。
「そんな馬鹿な話はない。人が音曲やなにかで眠るがごとく死ぬなんてある訳がない。きっと何かある」
こう思い至って、屈強(くっきょう)な腕利き(うできき)の部下を客に仕立てそこへやった。
その部下が列に並んでいると、次から次と死んでゆく。その度に笛の音がするどく高く鳴り響き、太鼓の音も強く乱打(らんだ)されている。
いよいよその侍の番にきたら、木戸番(きどばん)みたいな案内人みたいなのに、いぶかしがられた。
「そんなに若いのに、何でだ?」
「いやいや、この世に未練は無い。女房には先立たれ、子供も疫病で逝ってしまった。一人ぽっちで世の中、もう面白くない。あの世で女房と子供に会いたい一心でござる」
「ああ、そうか、わかった」
そして、その蓮の花の中に案内してくれた。
蓮の葉や花をこまかく見たけれども、何ひとつあやし気なところがない。
「こんなはずはない」
と思って足元を見たら、下に二寸ぐらいの穴があいていた。
「はてな、ここは臭いぞ」
そこで、隠し持っていた鉄扇(てっせん)を少し広げて穴にかぶせた。
音曲が始まって、そしてその笛の音と太鼓の響きが最高潮になったとき、座っている尻の下でチャリンと音がした。
すぐに身構えて鉄扇をのけると、真っ赤に焼けた槍が穴を突き通して来た。かろうじて身をかわして、鉄扇でその槍の穂先を叩いたら、下から舌打ちする声が聞こえてきた。
蓮の花をこじ開けて出たら、万一、槍が失敗したときの為に囲っていた侍たちが、ばらばらと出てきて、刀を向けてきた。
ところが、大岡様が差し向けた侍のことはある。腕利きの剣術使いだ。そんな三ぴん野郎どもに負けるわけがない。片っ端からねじ伏せて、呼子(よびこ)をピーって吹いた。
そうしたら、御用御用って隠れていた岡っ引(おかっぴき)たちがワラワラ集まって来て、たちまち皆押えられてしまった。
蓮の葉往生なんて、とどのつまり(結局)は、「無理殺し(むりごろし)の銭取り(ぜにとり)目的」だったのだ。
それから、蓮の葉往生なんていうインチキは無くなったという。
朗読をお楽しみください(https://minwanoheya.jp/area/yamagata_047/)
それにしても、今も昔も詐欺行為はなくならないわけだな。蓮もいいように使われたな。
-
外来診療より日沖医師休診のお知らせ
令和7年10月18日(土)午前の日沖医師による外来診療は都合により休診とさせていただきます。
「ソクラテスの弁明」は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが裁判で自分の立場や考え方を語った内容を、弟子のプラトンがまとめた本。
ソクラテスは、アテネの町人たちとたくさん話し合い、「本当の知恵とは何か」「どう生きるのが良いのか」を問い続けた。しかし、それがきっかけで「自分の考えを押し付けて若者をダメにした」「神を信じていない」と勘違いされ、裁判にかけられた。
次のように弁明(正当化の説明)した。
①本当の知恵とは「自分が何も知らない」と知ること(無知の知)。
②多くの人は自分が何でも知っていると思い込んでいるけれど、「わからないことが多い」と認めて、相手に質問して考えさせることを重要視。
③魂をよくすること(=心を育てること)が一番大事。
④お金や名誉よりも、自分の心や考え方を良くすることこそ幸せにつながる。
ソクラテスは裁判(票決)で有罪になり、死刑を言い渡された。三十票差。しかし、考えを変えたり嘘をついたりして助かろうとはしなかった。「たとえ死ぬとしても、自分の信念を曲げない」と主張した。
ソクラテスの教えのエッセンス
無知の知: 自分が知らないことを知る勇気
問答法: 質問を通して相手に考えさせるやり方
魂への配慮: 自分の心・考え方を磨くことが一番大切