医療法人社団 山中胃腸科病院【公式ホームページ】

齋藤先生のブログ

2025/07/20
健康の社会的決定要因(SDH)

 健康の社会的決定要因(SDH: Social Determinants of Health)とは、私たちの健康に影響を及ぼす「社会的な要素」のことを指す。

 病気や健康は遺伝や医療だけで決まるものではなく、生活環境や社会の仕組みとも深く関係する。

SDHに含まれる主な要素

経済状況:収入や職業の安定は健康を支える重要な基盤。経済的に困難な状況にあると、適切な医療や栄養バランスの取れた食事が得にくくなる。

教育:教育水準が高い人ほど健康情報にアクセスしやすく、健康的な選択を行いやすくなる。教育は健康意識の向上にもつながる。

住環境:安全で清潔な住まい、緑地のある街並み、交通の利便性などは、身体的・精神的な健康に大きく影響する。

社会的つながり:家族や友人、地域とのつながりは、孤独の軽減やストレスの緩和に寄与し、心の健康を保つうえで不可欠。

医療へのアクセス:近隣に医療機関があるか、保険制度が利用できるかどうかも健康に直結する。アクセスの格差は、治療の遅れや予防機会の損失につながる。

なぜSDHが重要なのか?

 SDHは、個人の努力だけでは変えにくい「社会の構造」や「環境」と関わっているため、健康格差の背景要因となる。たとえば、同じ病気でも、住んでいる地域や所得の違いによって受けられる治療や予後が変わることがある。これは、医療の問題だけではなく、社会全体の課題でもある。

 誰もが健康でいられる社会を実現するためには、SDHを意識した政策や支援が必要である。一人ひとりが、地域の支援サービスを活用したり、困ったときに相談できる場所を知っておいたりすることも健康の維持に役立つ。事実、健康は生活習慣や遺伝だけでなく、社会や環境の影響を強く受ける。健康の社会的決定要因(SDH)を理解することは、より公平で健康な社会を築く第一歩になる。個人と社会の両面から健康を支える視点がこれからますます重要になる。

2025/07/19
不勉強は有罪?

かつて、「不勉強は有罪」という教授がいました。

ケースバイケースと思いましたが、さらに厳しい質問が飛んできました。

「あなたの子供が手術を受ける場合、100点満点の手術がいいか?最低ライン(合格60点)でいいか?」と。

パワハラとは言わないまでも、「不勉強はいけない」と痛感しました。

(実際、小生の子供は手術を受けていますが・・・。)

「不勉強は有罪?」に対して・・・

 賛同意見(プロフェッショナル論)

  医師は一生勉強を続けなければならない。

  知識や技術のアップデート(更新)を怠ることは、患者の不利益に直結する。

  「知らなかった」や「勉強していなかった」では済まされない。

 批判的意見(現実論)

  すべての医師がすべての分野に100点満点の知識や技術を持つことは不可能。

  チーム医療やコンサルト体制を活用し、弱点を補完することもプロの一部。

  不勉強を一刀両断するのは、過度な完璧主義であり、時に指導・教育の妨げになる。

「子供に60点の手術をさせるか?」に対して・・・

 「自分が提供する医療が誰にとっても大切なものだ」という意識を喚起する強力なメッセージ。

 ただし、現実的に「100点満点の手術」というのは幻想に近い。医師は神様でない。

 「最善を尽くす努力」が本質である意見が多い。

 一方で、「60点でよし」とする自己弁護の言い訳を牽制する意図としては、教育的に意味がある。

私見を含めてまとめると・・・

 現在の医療現場では「完璧な医師」より、「学び続ける姿勢を持ち、チームと協働する医師」が求められる。

 EBM(Evidence-Based Medicine)やガイドライン、コンサル文化(コンサルト体制:専門に簡単にアクセスできる体制)の浸透によって、「知らないことを認め、調べ、共有する」ことも重要。

 さらに、常に勉強し続ける謙虚な姿勢が大切。

2025/07/18
楽しい思い出がよみがえった。ちょっと切ないけど。

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 独身時代、彼女――今の妻とともに、北陸の名湯・宇奈月温泉を訪れた。黒部の仕事を終えた足で向かったその地は、山あいに湯けむりが立ち上る静謐な温泉郷。トロッコ電車に揺られ、峡谷を縫うように走る車窓からは、深い緑と清流が目に飛び込んできた。2泊3日、温泉の湯に身を沈め、日常の喧騒を忘れるひととき――のはずだったが、頭の片隅には仕事のことがちらつき、心から羽を伸ばすには至らなかった。

 帰路につくや否や、敦賀での仕事が待っていた。旅の余韻に浸る間もなく、現実へと引き戻される。それでも、束の間の逃避行は、心に小さな灯をともしてくれた。

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 同じく独身時代に彼女――今の妻とともに、スペイン村へと足を伸ばした。異国情緒あふれる街並み、陽気な音楽に包まれた2泊3日の旅。ここでも「ゆっくりできた」と言い聞かせながらも、仕事の影が背後にピタリとついてくる。完全な解放には程遠い。それでも、彼女と過ごす時間が、忙しない日々の中で確かな彩りとなった。

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 仕事に追われながらも、旅を重ねたあの頃。心から満喫できたとは言い難いが、今思えば、その不完全さこそが人生の旅路に深みを与えてくれているのかもしれない。

2025/07/17
「健診」と「検診」の違い

 どちらも「けんしん」と読む。意味は異なる。

「健診」は「健康診断」のことで、「身体の状態が健康かどうかを調べる」ことを意味する。代表例として、「一般健康診断」や「特定健康診査(「メタボ健診」)」などが挙げられる。

 一方、「検診」は「ある特定の病気があるかどうかを調べる」ことを意味する。その例として、がんの早期発見を目的とした「がん検診」などが当てはまる。

 現場医師として、きちんと使い分けないといけない。

2025/07/16
ああ医局・・・こんなことまだあるのか?まだまだあるだろうよ!

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医局の人事権「裏切ったら県内で働けると思うなよ」

 2025年5月、熊本大学は特定の医師に診療をさせないよう外部の病院に要請するなどのパワーハラスメント行為があったとして、50代の教授2人を戒告の懲戒処分としました。被害を受けた男性医師や関係者がその実態を語りました。

 教授とみられる人物の音声「とりあえず◆◆(男性医師)はうちをクビにしていますので、きのうそういう(医局を辞める)話をしに来たので、バカモンと言って一旦こっちから絶交を突きつけていますから」(これは2023年12月、熊本大学・大学院の生命科学研究部に所属する50代の教授が、熊本市内の民間病院に電話をかけた時のものとされる音声)

 教授とみられる人物は、病院に対し、自分の元を離れて病院に就職しようとしていた男性医師を雇わないよう求めています。その音声「熊本の★★(診療科)で僕の目の黒いうちにそういうことはありえないということを本人が理解できればいいので」

 当時、大学院生だった男性医師は、病院から電話の内容を知らされたことをきっかけに適応障害を発症し、大学院を退学しました。

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 もう少しで博士号。現在の価値はいかほどかわからないが、取得すれば名刺に書くことができる。しかし、現場では何も役に立たない。博士号はひとりで研究していくことができるということだけ。博士号と実務(医療の質)は相関しにくいだろう。

 問題は何か?人事権?自己研磨?それとも・・・欲望?

 たぶん、「あそこの病院に行ったら、(高給などの待遇がいいとかでなく)いい勉強ができて自己研磨できる」と思っても自分の意志で行けない現実がある。

 教授が「医局員というコマを自由自在に操れる」という特権を持っていることだろう。ここに平等はない。だから、裏舞台が存在する。皆、おいしいものを望む。

 小生も経験があるのでよくわかる。そして自覚している。

 「裏切ったらこの縄張りで働けると思うなよ」

  「裏切ったら働くところなくなるよ」

   奴隷医に あると思うな 選択肢

2025/07/15
横浜の青空

 平凡な毎日なら、青空をゆっくり眺めることもできよう。

 慌ただしい毎日なら、青空にさえ気づかない。

 青空に感謝。

2025/07/14
三重県亀山市にある大安(食堂)

 この唐揚げ定食・・・満腹中枢を刺激しすぎた

 これぞ・・・唐揚げマウンテン

https://www.youtube.com/watch?v=b68WqLzCHvc

2025/07/13
備蓄米を食べた。

備蓄米を食べた。

ファミリーマートで、1㎏袋388円だった。安い。
たぶん、一般的感想と同じで、「ぱさぱさでふっくら感が少ない」と感じた。

長期保存により水分が抜けて乾燥しやすくなるためなのは何となく分かる。

味は変わらないなあ。
パエリアやピラフに向いているようだ。
早速、パエリアを作ってみようと思う。

2025/07/12
失言

心情を逆なで

嫌なニュース・・・・自民党の鶴保庸介参院予算委員長は8日、和歌山市で開かれた参院選和歌山選挙区の自民候補者の個人演説会で、「運のいいことに能登で地震があった」と発言した。能登半島地震の被災者の心情を逆なでするような発言として批判を招く可能性がある。鶴保氏は2024年1月の能登半島地震後、被災した石川県輪島市の住民が避難先の金沢市で生活し、被災地と行き来する例などを挙げた中で発言した。自身が推進する都市と地方の「2地域居住」を巡る議論が、地震をきっかけに進展したことを説明しようとしたとみられる。鶴保氏は8日夜、読売新聞の取材に「震災を運がいいなどと思うはずもない。言葉足らずだった。撤回の上、陳謝する」と語った。
・・・

選挙前にこのような発言は明らかに逆風。どうして?人工知能に聞いてみよう!

人工知能(AI)の回答は以下の通り。案外、奥が深いのですね。

 人間の心理にはさまざまな側面があり、「心情を逆なでする発言(失言)」が起こる背景にはいくつかの心理的要因が存在します。

  1. ストレスや緊張による自己制御の低下
    人はストレスや緊張、不安を感じているとき、脳の前頭前皮質(理性的判断や自己抑制を司る部分)の働きが一時的に低下します。その結果、普段なら抑えられるはずの言葉が無意識に口をついて出てしまい、相手の心情を逆なですることがあります。
  2. 感情のコントロール不足
    怒りや悲しみなど強い感情が高まると、冷静な判断ができなくなり、感情に任せた発言をしてしまうことがあります。これが失言や相手の心情を傷つける発言につながります。
  3. 期待違反理論
    人は「こうあるべき」という無意識の期待を持っており、それを裏切られると不快感や怒りを感じます。例えば、敬意を持つべき場面で横柄な態度をとられる、謝るべき場面で言い訳をされるなど、期待に反する言動が「感情を逆なでする」と感じさせます。
  4. 自己中心性や自己愛
    自分の都合や価値観を優先し、他人の状況や感情を考えない人は、無意識に相手の感情を逆なでする発言をしやすい傾向があります。また、自己愛が強い人は自分が正しいという思いから、他者の意見を否定したり、相手の立場を考えずに発言してしまうことがあります。
  5. 防衛機制としての「反動形成」
    心理学では「反動形成#」と呼ばれる防衛機制があり、本来の感情とは逆の行動や表現をすることでストレスに対処しようとします。例えば、本当は嫌いな人に対して逆に親切に振る舞うなどです。これが長期化・無意識化すると、本心と違う言動が増え、誤解や関係悪化の原因になることもあります。

#反動形成(はんどうけいせい)とは、心理学における防衛機制の一つで、「自分が本当は感じている受け入れがたい感情や欲求」とは正反対の行動や態度を無意識にとってしまう現象です。たとえば、「本当は嫌いな人に対して、逆に過剰に親切にする」や「好きな人に素っ気なく振る舞う」といった行動が代表例です。これは、自分の本心を認めたくなかったり、社会的にその感情を表に出すのが不都合だと感じたりしたときに、無意識に発動する心の働きです。

まとめ
 失言や心情を逆なでする発言は、主にストレスや感情のコントロール不足、自己中心的な思考、無意識の防衛機制、そして相手への配慮不足など、複数の心理的要因が複雑に絡み合って起こります。多くの場合、本人に悪意がなくても、状況や心理状態によっては誰にでも起こりうる現象です。

2025/07/11
ああ横浜。

もう行くことはないのであろうか?

2年後には行きたい気持ちがある。

ついでに、戸塚周辺も見物してみたいところだ。

かなり変わっただろう。桜もついでに眺められるといいが。

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