齋藤先生のブログ
- 2023/08/08
- 2023/08/05
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2023/8/5 ブログ
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不思議な夢をみた。金沢で同窓会が行われた。入口が洞穴のような飲み屋であった。
午後3時20分の列車に乗るために帰りを急いだ。同級生がバス乗り場まで送ってきてくれた。しかし、飲み屋の下駄を履いたままの状態に気付いた。
バスの時間が気になり、急いで取りに戻ろうとして前を歩いている同級生に声をかけるが・・・、気づいてもらえずどんどん先に歩いて行ってしまった。
飲み屋の入口をくぐって下駄箱に靴を取りに行こうとしたところで、時間切れ。
万事休す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・小生の深層心理はいかに?
卒業後、一度も同窓会に出席していない。懐かしい金沢。
しかし、後味の悪い過去の事実がある。だから、近寄らない。禁断の地と言える。同級生との関係も疎遠になってしまった。
一度、足を踏み入れたら、今度は解放してもらえないようだ。 - 2023/08/03
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ある夏の思い出 ~鳥羽小旅行~
①鳥羽の海(潮のにおいが清々しい)
②ジュゴン(鳥羽水族館にて)
- 2023/08/02
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2023/8/2ブログ
コロナ第9波(見えない感染拡大)
病院生活もやがて3年が過ぎる。外出する機会は少ないが、先月(7月14日)、津に出かけた。街中を歩いていると、小学生の下校時に遭遇した。
ここで一句。
小学生 荷物両手に 学期末
学期末、置き傘などの荷物を持って下校する小学生。小柄な体ながら、一挙に荷物を持ち帰ろうとする小学生。手ぶらの小学生はいない。例外なく、小さい体で重そうに不安定にふらふらと歩行している。
そういえば、小生もそうだった。遠い昔を思い出しながら、三重県医師会館に急いだ。 - 2023/08/01
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2023/8/1 ブログ
「門」の語りの続きです。
あらすじ③
近所付き合いもねんごろになった。ある正月の挨拶に坂井家を訪ねた際、宗助は思いもよらない誘いを受けた。モンゴルで事業を展開している坂井の弟と、その友人である安井という人物と食事に行こうと。安井なる人物がまさしく御米の旧夫であることにピンときた。やがて、安井を連れて坂井の弟が帰国したことを知った。宗助は、恐怖心で居ても立ってもいられなくなり、鎌倉の円覚寺に座禅に行くことを決意した。何となくヤバい展開。安井との再会を絶対に避けたい宗助。安井の心中が分からない以上、逃げるしかないであろう。今後も、安井の影におびえながら生きていかなければならないことを悟りつつ・・・。
ちなみに、夏目漱石の胃潰瘍療養場所も寺院であったと記憶している。困ったときの駆け込み寺か・・・。 - 2023/07/20
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2023/7/20 ブログ
医療安全
6月末、医療安全の院内講師をした。かつて横浜勤務時代、医療安全管理室委員を拝命した。そこで、インシデント・アクシデントレポートや医療事故(=医療関連で発生した過失の有無を問わないものと定義)の対応に追われた。
医療事故を皆無に出来ない以上、医療安全は永遠の課題である。講演内容のキーワードは以下の通り。
フェイル・セーフ(fail safe)
失敗しても安全。
フール・プルーフ(fool proof)
そもそも失敗できない。
緊急対応体制(RRS:Rapid Response System)
急変の前兆を早目にとらえて、急変を未然に防ぐ取り組み。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、医療人となれば、多かれ少なかれトラブルに巻き込まれる。未然に防ぐことが出来ればいいのであるが、そう簡単にはいかない。古い組織体質?(=伏魔殿)を感じることがある。高梨ゆき子の医療ノンフィクション「大学病院の奈落」(2017年8月初版)を読むと心当たりがないわけでもない・・・。2011〜2014年に群馬大学病院で腹腔鏡手術を受けた患者(少なくとも8人)が死亡したとスクープされた。遺族は報道されるまで何も知らされず、第一外科と第二外科の確執、学長選挙、医師の技量不足や功名心、専門指導医資格のまやかし、先端医療の落とし穴と医療保険制度のグレーゾーン、学会の思惑などが取り上げられた。また、第二外科の腹腔鏡手術以外の手術、すなわち開腹手術の死亡例も多いという事実も明るみになった。外科同士の縄張り争いとは?医師はどうして名声を求めるのか?医師の暴走に歯止めをかける仕組みがなかったのか?
権力争いや功名心など、人間の中にある負の側面が医療業界に出てくると、患者という弱者がさらにどん底へ突き落される。日本の医療が安全性と有効性をしっかり確立しないといけない。先進医療が安全に行われるためには、「見える化」が必要である。失敗する前に協力し合える文化を根付かさなければならない。
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医療事故(=医療関連で発生した過失の有無を問わないものと定義)のうち、医療過誤は過失があったものであり、いわゆるミスである。患者取り違え、間違った注射などがこれに当てはまる。一方で、「医療事故」の定義は曖昧であるといわざるを得ない。医療法第六条の十によると、医療事故は「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう」とされ、死亡に限定されている。医療事故の定義には、解釈にズレが生じているように思える。さらに、医療の質を求めることは当然である。例えば、「研修医(1~2年目の医師)と20年目のベテラン医師のどちらに手術してもらいたいか」という問いに対する答えは明白であろう。経験値がものをいう。ただし、患者は医者を選べない現実がある。しかし、日本国憲法第13条に幸福追求権(幸福期待権)がある。少しでもいい結果を期待することは、万人の権利であることは言うまでもない。
最後に、平成天皇(現、上皇様)の心臓手術は天野教授が主執刀した。宮内庁は最も成功率が高い心臓外科医に依頼したという。もっともな話である。最強の医師団(東京大学と順天堂大学の合同チーム)であったと思う。ちなみに、昭和天皇の大量輸血(計20000cc超)も尋常でなかったという遠い昔の記憶がある。これもある意味、ごもっともな医療である。
とにかく、医学界の自浄作用(オートノミー)が日本の医療を変えてくれることを心から期待している。そして、緊急対応体制(RRS:Rapid Response System)を基本として、医療安全と医療の質向上に尽力したい。付録:医療法
第六条の九 国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。(平一八法八四・追加)
第六条の十 病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。
2 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、医療事故に係る死亡した者の遺族又は医療事故に係る死産した胎児の父母その他厚生労働省令で定める者(以下この章において単に「遺族」という。)に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。(平二六法八三・追加)
第六条の十一 病院等の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査(以下この章において「医療事故調査」という。)を行わなければならない。
2 病院等の管理者は、医学医術に関する学術団体その他の厚生労働大臣が定める団体(法人でない団体にあつては、代表者又は管理人の定めのあるものに限る。次項及び第六条の二十二において「医療事故調査等支援団体」という。)に対し、医療事故調査を行うために必要な支援を求めるものとする。
3 医療事故調査等支援団体は、前項の規定により支援を求められたときは、医療事故調査に必要な支援を行うものとする。
4 病院等の管理者は、医療事故調査を終了したときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その結果を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。
5 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、遺族に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。(平二六法八三・追加)
第六条の十二 病院等の管理者は、前二条に規定するもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。(平一八法八四・追加、平二六法八三・旧第六条の十繰下・一部改正) - 2023/07/19
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2023/7/19 ブログ
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ふつうの夢をみた。
四日市市役所に向かって、国道を車で急いでいた。5時30分に間に合うように出かけたが、渋滞に巻き込まれたので裏道を抜けようと迂回した。
ところが、不運にも道に迷い、山奥にどんどん入っていった。目下にきれいな景色が見えたが、車を止めて時計を確認すると5時28分。万事休す。
迷い込んだ道はいつも同じようだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・
この夢判断はいかに?小生の心理状態はどうか?
夢の一部は繰り返される。流用されることがある。迷い込んで辿り着いた場所は同じようだ。
「同じ過ちを繰り返すな」という警告のように感じる。 - 2023/07/15
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2023/7/15 ブログ
「門」の語りの続きです。
あらすじ②
宗助と御米は、坂井家の話をする機会がだんだん増えていった。そして、話題は子供のことに移った。坂井は3人の子供に恵まれながらにぎやかに生活しているのに対し、御米は3回妊娠して3回とも子供を死なせてしまったことを情けなく思っていた。その原因を占い師に聞いたことがあり、「かつて人に対して済まないことをしたからだ」と宣告されていた。
大学時代、安井は御米を実妹と偽って宗助に紹介した。そのためか、その後に宗助は御米とただならぬ関係に発展した。実は、御米は内縁の妻であった。御米との関係がバレた宗助は、周囲から非難されて大学を中退せざるを得なくなった。妻を奪われた安井は、行方をくらませて消息不明になった。
坂井と親しくなった宗助は、日頃の会話の中で安井の思わぬ消息を知ることになった。子に恵まれなかった御米。引け目を感じていた御米。因果応報の運命を感じながら、宗助と御米は暗く生きていた。安井の消息も気がかりであったであろう。そんななかで・・・、よみがえってきた過去。できれば、触れたくない過去。安井と会うことだけは避けたいという宗助の心境は理解できる。
- 2023/07/10
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2023/7/10 ブログ
「皆勤賞」の是非
かつて、学生時代を含め「皆勤賞」は賞賛されることが多かった。先人達にもそう学んだ。しかし、現在はどうだろうか?無理は禁物・・・。パワハラ・・・。
「若いときは何でも自ら進んで・・・」と上司にアドバイスされ、積極的に雑用係を懇願した。断ることは問題外で、欠席も罪悪・・・(欠席裁判回避)。休日出勤することで安心感を覚えていた。昔(戦前?)はそうだったとはいえ、現在、どう考え直せばいいのであろうか?
神様のカルテ2(著者:夏川草介医師)を読んで(かつ映画を鑑賞して)、小児科の女医が一日欠勤したという場面があった。たまたまその日に受け持ち患者が急変するという不運が生じてしまったそうだ。翌日、その女医は「欠勤」に対して両親に罵倒された。その後、何かに取り憑かれたように、病院に泊り込んで仕事をするようになった。幼い自分の子供の面倒もみることなく・・・。患者(病気)に休みがない以上、医者にも休みはないという理屈であった。小生も同様の経験がある。研修医時代、患者家族に夏休みをとらないように言われた。「退院が遅れるから迷惑だ」と。もちろん、小生は夏休みを返上して働いた。
今後、医師の働き方改革(故 安部元首相の政策)に対して、小生はどう向き合えばいいのか・・・、ゆめゆめ分からない。この機会に転職を考えてはいたが、肩書きがある以上、なかなか難しい状況にある。医療の多様性
医療の分野において、研究内容も多彩になってきた。臨床医学がすべてでなくなった。遺伝子、バイオテクノロジー、人工知能などなど・・・。十分なビジネスが成り立つし、多様性(ダイバーシティ)が重視される時代になってきた。
「白い巨塔」を連想させる大学病院の信用を失墜させる事件もあり、留学歴が出世に直結する常識も崩壊しつつある。多様性重視の時代の到来である。
臨床現場においても専門クリニックが開設されており、特化した医療も実現している。医療にも多様性あり
花にも多様性あり
紫陽花にも多様性あり結局、なんでもありなんだよね。
近い将来、「神様のカルテ」シリーズ(0、1、2、3、新章)について、読んだ(一部、映画を鑑賞した)感想を述べていきたい。
- 2023/07/03
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2023/7/3 ブログ
2006年7月12日
NHK放送「その時 歴史が動いた」
排卵日(受胎期)はいつ? 荻野久作ちょうどこの頃(今から約17年前)、小生は横浜でくすぶっていた。そんななか、帰郷を決意した番組がこれである。
地域医療(新潟の民間病院)から世界(医学先進国ドイツ)へ羽ばたいた荻野久作先生のノンフィクションである。
戦争あれども、医学は着実に進歩していた。地道な研究と逆転の発想である。
1924年、権威のない医師の学説を日本の医学界は無視したようだ。しかし、単身ドイツに渡り、世界的発見が見事に認められた。ところが教授職を断り、生涯勤務医を続けた。ブレない信念。「生まれてくる子供と母の命を守れ」という確固たる信念。荻野学説による避妊法には異議を唱えるほどの徹底ぶり。
地域医療で直面した大正時代の過酷な女性の状況。不妊による離縁や多産による死。男尊女卑の風潮で、妊娠出産に束縛される女性。当時、女性の平均寿命は43歳。小生の愚作「勤務医にこだわる」は、生涯勤務医を貫いた荻野先生に憧れたからである。
地域医療でも新たな説は提唱できる。過敏性腸症候群として治療されている患者の中に、実は(慢性)ウエルシュ菌感染症が混ざっていることがある。ところが、権威ある学会での論文発表は叶わなかった。しかし、軽快して感謝してくれた患者が実際にいる。勤務医にこだわる理由である。
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「ガイアの夜明け」の小生の感想
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/202307/13587.html
大津市民病院で起きた医師大量退職のその後。
新院長は67歳の脳外科医師であった。赴任していきなり院長職を任されることになったという。
大量退職が起きた理由は、何の前触れもなく、理事長(京府医大出身)が外科系医師をすべて京府医大系列にする方針を強引に推進したからだという。
医師がほとんど不在(一部の放射線科医や麻酔科医は残留)。院長も外来や手術や院長職など多忙の日々。医師派遣を嘆願して母校(京府医大)に出かけて行っても、教授(後輩という)は前向きに検討するという回答・・・。
病床稼働率79%と低く、昨年度は12億円の赤字。開業医もその風評からなかなか紹介しにくく、市民病院が患者不在の病院になってしまった。
昔から学閥対立の構図は知られているが、患者にはまったく関係のない事象である。
限られた医療資源。医師も含まれている。一人前になるために最低10年かかる。
国家先導の医療改革はできないのか?医師の働き方改革も大切であるが、日本列島改造の田中角栄首相や郵政民営化の小泉純一郎首相のような、医療改革を強引に推し進める内閣総理大臣(首相)が出現して欲しい。