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齋藤先生のブログ

2025/09/02
武士道とは

 新渡戸稲造(国際連盟・初代事務次官)が書いた「武士道」は、日本の武士の生き方や考え方をまとめた本。英語で世界に広めた。

 悲しい過去:実際、1946年からGHQが断行した「禁書・焚書リスト(Confiscated Publications)」の中に含まれていたという証拠がある。

武士道に出てくる主な7つの徳:
 正義:自分が正しいと思うことを貫く力。ズルや不正をしない心。
 勇気:こわくてもやるべきことに立ち向かう強さ。
 思いやり(仁):弱い人や困っている人にやさしくする心。
 礼儀(礼):相手を大切に思い、きちんとふるまうこと。マナーだけでなく気持ちを込めること。
 誠実:ごまかさず、まっすぐ向き合う。正直に行動する。
 名誉:自分の信頼とプライドを守ること。誰も見ていなくても恥ずかしくない行動をする。
 忠義:家族や仲間、信じる人を裏切らない。信頼を守ること。

武士道が生まれた背景と新渡戸が書いた理由:

 新渡戸は、外国人から「日本には宗教による道徳教育がないが、どうやって人に善悪を教えているのか」と聞かれました。そのとき、新渡戸は「日本には武士道がある」と答え、武士道を世界中に伝えるために本を書いた。

まとめ:
 武士道は「どう生きるか」を教える大切な考え方。正義・勇気・思いやり・礼儀・誠実・名誉・忠義の心を大切にする。

小生の名前にも「仁」が使われている。
これら七つの徳には、十分な価値があるので、疎か(おろそか)にできない。

2025/09/01
蓮にまつわる昔話を紹介します。山形県の昔話。

~蓮の葉往生(はすのはおうじょう)~

むかし、むかし。

 江戸表(えどおもて)に、蓮の葉往生という場所が一時できた。

 そこへ行けば、蓮の花の中に入って眠るように死ぬことが出来るというので、町から村へと、村から集落へと伝わってなにがしかの小金を持って、列をなして皆、蓮の葉往生へ行った。

 その頃、庶民には暮らしにくい世の中が続いていたらしい。年貢の取り立ては厳しいし、仕事にあぶれた人がいっぱいいたし、家の中では嫁と姑がいさかったり、年寄ってくるとゴクツブシという目で見られて身のおきどころがなくなって、いっそポックリ死にたいっていう人々が大勢いた。

 そんなこんなのところへ蓮の花に包まれて眠るように死んでいく。今日も何十人と、明日も何十人と。

 大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)が、「これは放っておけん」と、秘かに調べはじめた。

 ところが、そこへ行って遠くから見ていると、素晴らしい笛の音や太鼓の乱れ打ちがあったりで、けっこう気うつがとれる。そして、その音曲と蓮の花に包まれて、眠るように死んで行く。お坊さんのお経のよむ声も聞こえている。列に並んで待っている年寄りに訊いてみても、皆が皆、「蓮の花に包まれて死ねるのは嬉しい」と待ち切れないような顔をして言う。

 大岡様は自分でもどこがなにして放っておけないのかわからなくなった。

 奉行所へ帰って思案していたら、やっぱり得心(納得)しなかった。

ひとつは、自ら命を捨てに来ていること。

ひとつは、蓮の葉往生のあの場所が金を受け取っていること。

ひとつは、蓮の花に包まれたら何故死ねるのか判っていないこと。

 「そんな馬鹿な話はない。人が音曲やなにかで眠るがごとく死ぬなんてある訳がない。きっと何かある」

 こう思い至って、屈強(くっきょう)な腕利き(うできき)の部下を客に仕立てそこへやった。

 その部下が列に並んでいると、次から次と死んでゆく。その度に笛の音がするどく高く鳴り響き、太鼓の音も強く乱打(らんだ)されている。

 いよいよその侍の番にきたら、木戸番(きどばん)みたいな案内人みたいなのに、いぶかしがられた。

 「そんなに若いのに、何でだ?」

 「いやいや、この世に未練は無い。女房には先立たれ、子供も疫病で逝ってしまった。一人ぽっちで世の中、もう面白くない。あの世で女房と子供に会いたい一心でござる」

「ああ、そうか、わかった」

 そして、その蓮の花の中に案内してくれた。

 蓮の葉や花をこまかく見たけれども、何ひとつあやし気なところがない。

 「こんなはずはない」

と思って足元を見たら、下に二寸ぐらいの穴があいていた。

「はてな、ここは臭いぞ」

 そこで、隠し持っていた鉄扇(てっせん)を少し広げて穴にかぶせた。

 音曲が始まって、そしてその笛の音と太鼓の響きが最高潮になったとき、座っている尻の下でチャリンと音がした。

 すぐに身構えて鉄扇をのけると、真っ赤に焼けた槍が穴を突き通して来た。かろうじて身をかわして、鉄扇でその槍の穂先を叩いたら、下から舌打ちする声が聞こえてきた。

 蓮の花をこじ開けて出たら、万一、槍が失敗したときの為に囲っていた侍たちが、ばらばらと出てきて、刀を向けてきた。

 ところが、大岡様が差し向けた侍のことはある。腕利きの剣術使いだ。そんな三ぴん野郎どもに負けるわけがない。片っ端からねじ伏せて、呼子(よびこ)をピーって吹いた。

 そうしたら、御用御用って隠れていた岡っ引(おかっぴき)たちがワラワラ集まって来て、たちまち皆押えられてしまった。

 蓮の葉往生なんて、とどのつまり(結局)は、「無理殺し(むりごろし)の銭取り(ぜにとり)目的」だったのだ。

 それから、蓮の葉往生なんていうインチキは無くなったという。

朗読をお楽しみください(https://minwanoheya.jp/area/yamagata_047/

それにしても、今も昔も詐欺行為はなくならないわけだな。蓮もいいように使われたな。

2025/08/31
無知の恥

 確信犯の意味

  「政治的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪又はその行為を行う人」が正解と。

  「悪いことであると分かっていながらなされる行為・犯罪又はその行為を行う人」は間違いと。

  小生は間違って使用していた。使う期間は少なかったが・・・。

2025/08/30
未知の恥

 「破天荒」の本来の意味

 (餃子屋ではありませんが・・・。)

 「誰もなし得なかったことをすること」が正しいと。

 「豪快で大胆な様子」と解釈していたが間違いだった。

 「天荒」とは未開の荒れ地という意味。

 「破天荒」は、中国における唐の時代に、官吏登用試験の合格者が出なかった未開の地から初めて合格者が出た(=「天荒を破った」)という故事に由来するという。

2025/08/29
カラオケ「Karaoke」

 日本発祥の音楽文化。

 オーケストラ伴奏付きの歌から歌を取り除いた(空、カラ)オーケストラ伴奏(略してオケ)という意味。

 伴奏レコードやカセットテープなどの録音伴奏に、マイクを通して自分の歌を乗せる仕組み。

発祥と歴史:
 1960年代後半~1970年代初頭に日本で考案された。当初、スナックやバーで導入された。カラオケ機器の発明や商業化には、井上大祐さんや根岸重一さん、浜崎巌さんらが大きく関わったという。
 当時は生演奏に頼る「流し」の代わりに、録音伴奏とマイクで誰でも歌えるようにしていた。カラオケボックスの誕生は1985年の岡山県。トラックのコンテナを改装した個室型店舗が始まりで、他人の目を気にしない新しいレジャーとして爆発的に普及した。

カラオケの特徴・文化:
 友人や家族、会社の宴会など社交的な場として定着。「下手でも、皆と盛り上がる」開放的な娯楽文化。1980年代以降はビデオカラオケや通信カラオケも登場し、歌詞や映像もモニターで見られるようになった。
 現在のカラオケは国民的娯楽となり、日本国内に10万室以上のカラオケルームがあるという。ただし、コロナ禍では悪者にされていたが・・・。

 ああ懐かし。ボーリング場にあるカラオケボックスで一人でよく練習したなあ。1曲100円。

 カラス張りだったので、通行人に白い目で見られたような・・・。

2025/08/28
無知の恥

 満州に油田があった?

 東南アジアは遠かった。灯台下暗し?

 油断国断。

 旧日本軍が満州大油田(現在の中国東北部)を発見できなかった理由が知られている。

  1. 技術力と資源開発ノウハウの不足
     石油探査の「軍事機密性」を重視し、外国の優れた技術や技術者の導入を避けていた。その結果、当時欧米で一般的になっていた最新の探査技術や機材を活用できず、旧式で不十分な設備に頼っていた。
  2. 調査地点の誤り・不十分な調査
     調査自体は昭和7年頃から関東軍を中心に始まっていたが、調査地点の選定や掘削の深度・方法などが適切でなく、本来油田が眠っていた地域を十分に調査できなかった。(実際の油田発見は30年以上後に、中国が当該地を再調査した際に初めて成功した。)
  3. 機構・意識面の問題
     満州国の実質的支配者である関東軍(陸軍)は、民間の知識や機械、欧米の最先端技術の導入を拒み、「精神論」に依存する傾向が強かったという。  石油に対する重大性の認識や、資源探査を専門とする人材・組織の整備が遅れたことも致命的なミスとなった。
  4. 資源政策上の失敗
     海軍と陸軍の資源政策が分裂し、特に陸軍は石油開発やその確保に当初消極的だった。その結果、油田発見が「戦後」の外国資本・技術の助力によって達成されたという皮肉。  本来であれば、アメリカなど先進国の石油探査・開発ノウハウを取り入れる体制があれば、満州大油田の発見・開発は可能だったという。

「旧日本軍、使える技術にたよらずに適切な政策が思いつかなかった」とかけて、「資源はいつまでも眠ったまま」と解く、そのこころは?
 →どちらも“掘り起こす”ことができない。

2025/08/27
蓮の花

花言葉:「清らかな心」「休養」「神聖」「雄弁」「沈着」「離れゆく愛」
 
 蓮の花は、「清らかな心」「再生」「神聖」「内面の成長」などを象徴する特別な存在。泥の中から美しい花を咲かせるその姿から、仏教や東洋思想において、「困難の中でも清らかに生きる強さや精神性の高さをあらわすシンボル」として大切にされてきた。

おすすめスポット:穴虫の郷(https://anamushi.com/

蓮 ― 美と薬効の融合

 蓮(Nelumbo nucifera)は、中国やインドで神聖視される花であり、その根茎「蓮根(レンコン)」は日本でも親しまれてきた伝統食材。中国漢方において、蓮の各部位が異なる薬効を持つため、部位ごとに使い分けられる。

 生のレンコンは肺を潤し、血を冷まし、体に潤いをもたらす清涼薬。熟したものは胃腸を整え、滋養強壮・老化防止に役立つとされる。レンコンの節も止血や痔出血の治療薬として用いられる。

 さらに、レンコンに含まれる食物繊維は脂質の吸収を抑え、動脈硬化や高血圧の予防に寄与する。胃粘膜保護や消化促進にも効果がある。鉄分やビタミンも豊富で、老若男女すべての健康維持に適した食材といえる。

 葉(荷葉)は古来、痩身薬として重宝された。果実(蓮実)やその内部(蓮肉・蓮芯)は、それぞれ鎮静・強心・滋養などの薬効を持つ。

 一つの植物にこれほど多彩な薬効が秘められている蓮。まさに、泥中から清らかな美を咲かせる「生きた薬草」。

ちなみに、漢方薬の啓脾湯や清心蓮子飲は、小生が頻用する漢方薬である。

2025/08/26
以徳報怨(いとくほうえん)

 「かつては敵であったり、怨みを抱いた者に対しても、愛情を持って接すること。」

 「他人から受けた恨みや憎しみに対して、仕返しをするのではなく、徳をもって応じること。」

 敵意や悪意を受けたとしても、それに対して寛容さや善意をもって接することを意味する。

 「論語」の中で孔子が説いた言葉として知られる。

 「恨みに対しては正義で報い、徳には徳で報いるべきだ」と述べた。

 
 どんなに恨めしくても・・・、所詮過去の話。
 ボヤくだけなら、自由である。
 小生自体にそれだけの徳はないので・・・。

2025/08/25
ああ同窓会

 参考:https://www.youtube.com/watch?v=Z7AQlgSXeYw

全然行っていないなあ。

 同窓会は、かつての仲間と久しぶりに会える場である反面、どうしても自分と他人を無意識に比べてしまったり、昔の期待や「こうありたかった自分」と現実のギャップを突きつけられてしまう。

これがつらいなあ。

 劣等感を、同窓生が無神経に触れてくるのがつらい。

 「あなたの元彼女(彼女が振って、あなたは敗者)、カッコいい頭のいい彼氏ができて、幸せそうよ。もう、婚約しているそうよ。指輪が何よりの証拠だよ。」

(これはキツく、深く心に響いた。男として負けたんだと。)(その後、元彼女の来る同窓会に一度だけ出席して、それを最後に同窓会を引退した。)

 周囲が順調に見えれば見えるほど、自分の中の痛みや悔しさが浮かび上がりやすい。

まあ、そうだろう。敗走した経験があれば、億劫になってしまう。

2025/08/24
蓮の花のように ~56歳を記念して~

 蓮(はす)の花は澄んだ水では咲かないという。むしろ、濁った泥水を好み、その中からこそ美しい大輪を咲かせるといわれる。

 蓮(はす)は、栄養豊富な泥にしっかりと根を張り、まっすぐに茎を伸ばし、水面に顔を出して気高く咲く。

 どれだけ水が澄んでいても、そこに十分な養分がなければ、根は張れず、花も咲かない。

 つまり、美しい花を咲かせるには、「泥」が必要なのだ。

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