医療法人社団 山中胃腸科病院【公式ホームページ】

齋藤先生のブログ

2025/12/29
今年の目標

 まったく達成されなかった。

 学問は現状維持で済まなかった。

  勉強不足を指摘されたので、いろいろ頑張った。

  これは結果的に自己研磨になったので、前向きに考えよう。

 学会のついでに国内旅行は叶わなかった。

  代理医師が見つからなかったので、仕方ないと考えよう。

  リーズナブルな計画であったが、非現実的なことを考えた自分の馬鹿さ加減が露呈した。

  負け犬の遠吠え。「醜い、身分をわきまえろ」と苦笑されるだろう。

 最後に、今年は病気が多かった。自分の人生はこんなものだと納得している。

2025/12/28
方丈記とミニマリスト

・・・やはり、これが私の理想郷

 出世か出家か――その岐路に立つ人を、鴨長明は静かに見つめ、そして微笑む。

 ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。官途(かんと)に昇る人の名も、俸禄も、肩書も、また流れの泡沫に似たり。昨日の栄達は、今日の常ならず。ましてや明日を誰か保証せん。

2025/12/27
2024年の自民党総裁選

 やっぱり金が必要なんだなあ

 宣伝も大変なんだなあ

 やっぱりアピールが必要なんだよな

 罰則がないのでなんでもありだよな

 高市早苗氏の政治団体が、宣伝のために8000万円超を支出していたことが政治資金収支報告書から判明した。

 小泉進次郎氏も、PR会社に約2000万円を支出するなどしており、多額の費用を投じていた。

 宣伝合戦が水面下で繰り広げられていたという実態が浮かび上がるなか、このとき総裁選を制した石破氏の支出は、「総裁選用リーフレット作成代」39万円と「総裁選広報バナーSNS用作成費」3万円などわずか。

 石破さんは省エネ勝利。裏金問題があったので複雑だったんだろうけど。

メリークリスマス ~高級セブンケーキ~
何歳になってもケーキは食べたいよ。

2025/12/26
高血圧治療

 降圧剤(血圧を下げる薬)は・・・就寝前服用か?朝服用か? どちらがいい??

 カナダの研究(BedMed試験)。

(参考文献:Garrison SR, et al. Antihypertensive Medication Timing and Cardiovascular Events and Death: The BedMed Randomized Clinical Trial. JAMA. 2025; 333:2061-2072.)

 高血圧成人患者3357例(女性56.4%、年齢中央値67歳、単剤療法53.7%)を対象。

 降圧剤の就寝前服用と朝服用による主要心血管イベン(脳卒中、急性冠症候群、心不全による入院/救急科受診)および死亡の抑制効果を無作為化試験で比較した。

 約4.6年の経過観察の結果、主要評価項目発生率は就寝前服用群が100人年当たり2.3で、朝服用群が2.4と、差はなかった。

 ということは・・・、どちらでもいいってことですよね。
 患者さんに選んでもらっていいわけですよね。
 ただし・・・、医師には個別に判断するという心構えが必要です。

2025/12/25
来年の目標はミニマリストになること ~欲深さが人生を台無しにした故~

「リトルワールドとかけて、ミニマリストととく。」そのこころは

――「どちらも、“持たなくても世界は十分に味わえる”ところです。」

 リトルワールドは、すべてを自宅に集めなくても歩くだけで世界の本質に触れられる場所。ミニマリストもまた、すべてを所有しなくても人生の豊かさを感じ取る生き方。

 建物は借景、文化は体験、持ち帰るのは土産ではなく、感覚と記憶だけ。荷物を減らすほど世界はむしろ広くなる――そんな共通点でしょう。

今年もお世話になりました。クレープ博。

https://www.youtube.com/shorts/v-thu6Bgyuo

クリスマスイブの豪華な食事

2025/12/24
はぐれ外様医師の奮戦記

──ぬるま湯に浸からず30年。原点に立ち返り、なお極めるために──。

 医師として歩み始めてから三十年。外様として組織に属しながらも、決してぬるま湯には浸らず、安穏に身を沈めることなく歩んできた。その道のりは、ときに不条理の海を泳ぎ、理不尽という岩礁にぶつかり、それでも折れずに進み続けた はぐれ者 の航海だった。だが、これほど多くの資格と経験を手に入れた今になって、逆に問われる。

――これらをどう使い、何を極め、どう生き抜くのか。

 くじけそうになったとき、私は原点に帰る。愛知県犬山市にある野外民族博物館リトルワールド。36年ぶりに再訪したあの日から、私の心にはいつもこの言葉が刻まれている。「原点を忘れたとき、人は迷子になる」

■ 医師をめざした“彼女のおまけ”

 中学二年の春。教室の斜め前に座った、かわいくて少し気の強い女の子。数学で満点をとり、「頭が良くてピアノが弾ける人がタイプ」と笑ったその瞬間、少年の心は決まった。「じゃあ、勉強で勝って、ピアノを弾いてみせる」

それが、のちに医学部をめざす長い旅路につながるとは予想もせずに。リトルワールドへの社会見学で撮ろうとした彼女の写真は先生に取り上げられ、帰りのバスでは「あの素晴しい愛をもう一度」が流れ、惨めな気持ちで座席に沈んでいた。だがそのとき、天から降りた囁きがあった。

「この歌をピアノで弾け」

「彼女を勉強で超えろ」

「永遠に努力しろ。そして医者になれ」

 そこからの努力は、異様なほどストイックで、誰よりも純粋だった。結果、片手の独学ピアノは本番で成功し、成績は学年一位。やがて転校していった彼女に、届かぬ想いだけを胸に仕舞い込みながら。それでも彼女は、その後の人生で大切な“おまけ”を残してくれた。浪人生で心が折れかけた自分に、静かに会ってくれた夏の日。あの数十分の再会が、心と魂を甦らせてくれた。そして医学部合格の日、私は約束を果たすように彼女に報告した。それが最後の会話となった。

■ その原点が教えてくれたこと

 それから三十年。

 現場では外様であり、職場では異端であり、しばしば孤立もした。だが、あのときの決意、「永遠に努力する」という誓いだけは決して折れなかった。資格は、いつの間にか増えた。経験は、いつの間にか蓄積された。だが、それらは“肩書き”ではなく、“道具”でしかない。

 問題は、これからどう使うかだ。外様でも、生き方は極められる。はぐれ者でも、専門家になれる。ぬるま湯に浸らなかった三十年は、これからのためにあった。


■ 今、再び原点へ帰る理由

 苦しくなったらリトルワールドへ行く。あのときの自分に会いに行く。彼女がくれた“おまけ”の意味を確かめに行く。私はまだ、道半ばだ。

 終活の旅は、終わらせるためではない。原点を忘れず、最後の最後まで極めるための旅だ。

 はぐれ外様医師として、残りの医師人生で、どれだけ人を救えるか。どれだけ家族を支えられるか。どれだけ“本物の医療”に近づけるか。

 その答えを探す旅は、まだ続いていく。

2025/12/23
こういう事態は心が痛すぎる

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa74ea496319a6a12711ed2d6ef58c024bb44ea5

 全国で病院の赤字経営が深刻化する中、静岡市立清水病院は2024年度の損失額が22億円あまりになったという。手術の受け入れを停止せざるを得ない状況にまで追い込まれている事態。26の診療科があり、急性期から慢性期まで一貫した医療を提供している。長年、地域医療の中核を担ってきた病院が危機を迎えている。

 原因は何だろうか?

 どうして、このような事態になったのか??

 どこかに、楽観視的政策があったのでは???

 きちんと分析したうえで、今後の方針を探っていくべきだろう。

2025/12/22
がん遺伝子パネル検査 2025/11/28

 多くのがん関連遺伝子の異常を網羅的に調べる「がん遺伝子パネル検査」。

 京都大学病院は、検査を標準治療開始前に行った場合と、(保険診療で認められている)標準治療終了後に行った場合と比較したら、生存期間が延長したという研究結果を発表。「早期に検査をすることで、効果の高い治療に早い段階でアクセスできる。現在の標準治療終了後という制限の撤廃を働きかけたい」とコメント。

 がん患者172人に対して標準治療前にパネル検査を実施したところ、遺伝子変異が見つかり、専門家の推奨治療を受けられた患者は25%だったという。なお、それまでの報告で標準治療後にパネル検査を受けた場合、推奨治療を受けられた患者は8.2%とされていた。

 全生存期間の中央値(患者の50%が死亡するまでの期間)は、標準治療終了後パネル検査では19.1カ月、今回の研究結果(標準治療開始前パネル検査)では27カ月だったという。

 約8カ月の延長だ。しかし、同一試験でないので単純比較はできないことに注意が必要だ。さらなるデータの蓄積が望まれる。費用対効果も考慮に入れないといけない。医療費の高騰に拍車がかかる。

2025/12/21
保険薬局のポイント付加(還元)問題 2025/11/28

 患者さんからポイントがつくから・・・って、聞いてはいましたが・・・。

 厚生労働省は11月28日、薬を処方された患者と保険薬局をつなぐサイトがポイントなどを付与している事例があるとして、対策を検討すると発表した。

 「患者誘引につながる恐れがある」と問題視されている事例だ。

 規則上、値引きなどによる調剤の誘引を保険薬局に禁じているという。厚労省はポイントの提供なども「制度上ふさわしくない」との考えを示していた。

──これ、医療現場で地味にも長々と続いている騒動。あまり気にしていなかったが、かつてドラッグストアの一部が「処方箋持ってきたらポイント付きます!」と大盤振る舞いをした結果、厚労省が「いやいや、それって医療で値引きしているのと同じなんじゃないのか?」と苦言を呈し、2012年から原則禁止になったという。

 それでも時々、患者さんに「あの薬局はポイント付くって聞いたんだけど」と言われるのは、制度が分かりにくい上に、支払い方法(クレカ等)に付く通常のポイントは許容範囲という微妙な例外があるせいなのだろうか。たぶん、そうなんだろう。

 本来、薬局選びは、あくまでもポイント還元率ではなく、服薬指導の質でやってほしいところだ。にもかかわらず、ポイントで患者を誘引という手段は、保険薬局がどこか商店化しているように感じてしまう。営利を求めないとされる医療分野で、従事する者としてはなんとなく複雑な心境。

 公定価格で運営される保険医療にお得感を持ち込むことは、制度の公平性まで揺らぐ話になってしまう。還元ポイントは買い物だけにして、調剤はまっすぐ真面目にやろうではありませんか。

2025/12/20
多様性

 同性同士の婚姻を認めない現行民法や戸籍法が憲法に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決。東京高裁は2025年11月28日、「合憲」と判断。

 全国の同種訴訟で、高裁での「合憲」は初めて。現在の状況が続けば「憲法違反の問題が生じることは避けられない」とした。「まずは国会で審議が尽くされるべきだ」と判決理由。いずれ最高裁が統一判断を示す見通し。

 何でもありの時代。なんでも自由。どれでも自由。何をしても自由。
自由すぎて、まとまりが利かなくなるぞ。それこそ不自由。

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