医療法人社団 山中胃腸科病院【公式ホームページ】

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2023/05/01
2023/5/1 ブログ復活記念

夏目漱石の「それから」を読んで ~あらすじと小生の感想①

「三四郎」に引き続き、「それから」のあらすじと小生の感想(コメント?)を語っていきます。当時(あの御時世に)、この内容でよくお書きになれましたね。さすがは夏目漱石さま。横恋慕なんだけど(不貞行為あり?)、ちょっとヤバくない?

その1:
学生時代、主人公の代助は知人(菅沼)の妹である三千代に恋心を抱いていた。また、代助の友人である平岡も同じく三千代に好意を寄せていた。その後、銀行勤務で収入の安定した平岡の方が三千代を幸せにできると考え、代助は間を取りもち、やがて平岡と三千代は結婚した。
一方、代助は30歳になっても無職のまま実家に頼って優雅な生活を送る高等遊民(漱石の造語という。高等教育を受けながらも就職せずに遊んでいる人のこと=いわゆるプー太郎)であった。一軒家に高齢女性(婆)と書生(門野)がお手伝いをするという人もうらやむ生活環境であった。
そんななか、平岡から手紙が送られてきた。代助のところに訪ねて来て、失業したことや夫婦仲が上手くいっていないことが判明した。平岡は、会社の金を使い込んだ部下の罪を被って銀行を辞めざるを得なくなったという。また、別の日に妻の三千代と一緒に代助のもとを訪れ、代助に「仕事を紹介してほしい」と頼んだ。また、三千代は子供の死をきっかけに歩けないほど体調を崩していたことも判明した。
 とはいうものの、いつまでも代助が依然として高等遊民(プー太郎)を続けていることに対して、父親がそれをとがめ、佐川(さがわ)財閥の令嬢との結婚を勧めた。しかし、代助はその気が全くなく、そうした生活を止めようとはしなかった。むしろ、面倒見のいい兄嫁の梅子(うめこ)に甘えていた。

 友人の幸せを望んだお人よしの代助。親に対する甘え(依存心)が抜け切れていない。プー太郎ゆえに結婚願望もない。しかし、平岡の生活状況の変化を気にしつつ、三千代に対する心境の変化が伺われる。

2023/04/30
2023/4/30 ブログ

(昨年、執筆活動の一部内容に対して残念なご意見を頂きました。そこで、永久的にブログを辞退することにしましたが、当院幹部よりその必要性はないと判断されました。それからというもの、執筆に躊躇しておりましたが、誤解を招く内容にならないように努めることを決意し、再開することにいたしました。そこで、これからも遠慮がちながら細々と継続することにしました。齋藤孝仁)

ブログ復活

「常に前向き」
 リトルワールド開館40周年。

 同時に、初恋から40年。救われた人生の奇跡。
 それからというもの・・・、悔いなき学問三昧。

「土筆の合唱」
 今年は土筆の合唱も前倒しでした。
 例年より早いぞ。采女付近にて。

「寂しさに耐える」
 梅がきれいな季節も過ぎ去りました。

 梅に「思いのまま」という品種があることを知りました。
 咲き方が特徴的ですし、花びらがいかにも「思いのまま」です。
 一輪に二色の花びら。勝手気ままって感じですね。
 まだまだ、知らないことばかり。

「桜咲く」
 生涯受験生の小生。
 今年もすでに一つ試験をパスした。
 本物の桜より長く咲いていたいと常々思う。
 地味でもいいから、咲ければ良し。
 邪魔されても、強く咲ければ、さらに良し。

「ウイズコロナ時代へ」
 新型コロナウイルスの驚異(コロナ禍)。
 あれから3年。長いようで短かった。
 人の心は変わっても、自然は変わらない。
 ここで、古(いにしえ)の有名な一歌
   ひとはいさ
      こころもしらず 
           ふるさとは 
              はなぞむかしの 
                   かににおいける

2023/04/12
協会けんぽ一般健診(生活習慣病予防健診)が受診しやすくなりました(自己負担の軽減)2023.4月~

協会けんぽ三重支部へ

2023ゴールデンウィークの健診について
2023/03/31
2023/3/31 定期ブログ

嗚呼、心の故郷“リトルワールド”へ

 いよいよ終活最終章(悔いのない人生)が始まる。黒歴史を断ち切り、ノーサイドを宣言する。明るい将来に向けて、それだけを考えて終活していこうと思う。
 はぐれ外様医師になって約20年。苦労が似合う小生に与えられた宿命に一片の悔いもない。苦節は勲章。Early bloomerに成れなかった。すでに曝け出した小生。失ってもめげない失う勇気を手に入れた。誇りを持って生きていけそうな精神状態になってきた。心機一転、Late bloomerを目指して生きたいと思う毎日だ。経験を生かして、生涯現役を貫こうと前向きに考えられるようになってきた。そもそもが「奇跡の人生」。だから、その宿命に一片の悔いもないのだ。半実半夢の状況下、前を向いてきた。
 人生は、「獲得と喪失の繰り返し」かもしれない。復活という現象もあるが、学問を楽しむ勇気を持ちたい。遊学という用語を思い出した。遊学とは、「故郷を離れ、よその土地や国で学問すること」とされる。北陸三県から東京・神奈川まで、約18年間の遊学の機会を持てたことに感謝したい。私生活上、育メンになれず、父親としては明らかに不合格だったが・・・(妻子よ、許してくれ)。
 最後に、「やさしい医療」や「分かりやすい医療」を提供していくことに心がけたい。小生は果たせなかったが、臨床現場で役に立つ基礎研究や臨床研究を積極的に進めていく環境が期待される。働き方改革の成功を心から祈っている。

 これがブログ最終回です。故あって、執筆活動を終了することになりました。今まで読んで頂けたことをありがたく思います。 齋藤孝仁

2023/03/15
「女性が働きやすい医療機関」に認証されました。

 令和5年3月13日(月)に三重県庁で行われた「令和4年度 女性が働きやすい医療機関認証制度 認証式」に出席し、一見知事から認証書をいただきました。

 今後も女性はもちろんのこと、誰にとっても働きやすい環境の整備に取り組んでまいります。

◆「女性が働きやすい医療機関」認証制度について

 三重県において、女性が働きやすい勤務環境づくりを促進し、ひいては男性職員にとっても働きやすい職場を実現するため、平成27年度に全国に先駆けて創設されたものです。

 当院では、今回初めて認証されました。

認証期間 令和5年4月1日~令和8年3月31日
※当院院長の淵田則次は1列目の一番左です。
2023/3/15 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~番外編~

 この小説は個人主義がテーマという。個人の自由や意思を尊重する思想は軽視されていた時代。特に恋愛には重きが置かれず、それが結婚観によく表れている。結婚というのはもともと「家同士の契約」であり、そこに恋愛感情は必要とされていない。しかし、それに対抗して「好きな人と結婚したい!」という思想が西洋を中心に広がり始める。

例えば、森鷗外作の映画「舞姫Die Tänzerin」のある場面で、愛のない結婚を余儀なくさせられた貴族夫婦が登場する。夫人が日本の縁談事情を問うシーンがある。皮肉をいう主人の前で、日本も同じと答える。そこで、留学中の豊太郎(郷ひろみ主演)が「カイネリーベKeine Liebe?(訳:愛がない?)」と言う。西洋も親が縁談をまとめることに気づく・・・。

 話は戻るが、美禰子は自分を心から愛してくれる人に飢えていたことが読みとれる。不器用で野暮な三四郎を、自分を全力で好きでいてくれていると期待する。当時の時代背景も明らかに関係している。女性が自分から積極的に男性に告白するということ自体が考えられない時代。美禰子はひそかに三四郎から告白される必要性がなければならない。それゆえ、美禰子は平静を装いながら必死にアピールしまくる。うぶで鈍い三四郎は美禰子の想いをくみ取れず、時間が流れていく。
そして、美禰子の失望の象徴は「ストレイシープ」。一方、三四郎の失望の象徴は・・・、森の美女・・・、この題は悪い。


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今年も2か月が過ぎました。昨年から金澤ケーキを食べています。小生、実は三四郎を読みながらこのケーキを食べていました。一度、ご賞味ください。美味しいまろやかなケーキです。大学生時代に食べた記憶はあるようなないような・・・。

2023/03/01
2023/3/1 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想④

その7:
 講義中、三四郎はストレイシープとノートに繰り返す。美禰子の気持ちはいかにと思い悩む。ノートを覗き見した与次郎につっこみを許す。
 原口さんという画家が広田先生の知り合いで、美禰子は洋画栄えすると称賛される。運動会を抜け出した三四郎は美禰子に遭遇。美禰子は原口さんのモデルになることを告白。
 この後、三四郎は競馬で浪費した与次郎に金(20円:現在の30万円相当)を貸す。与次郎の不始末で美禰子に金を工面してもらうことになり、三四郎が美禰子に金を借りに行く。美禰子は、「人の心を読めない三四郎は馬なんか読めない」と皮肉る。一緒に散歩に出て、銀行で金を下ろして展覧会へ行く。その場に野々宮さんがいる。美禰子の仕打ちで野々宮さんは嫉妬することに。美禰子に、「借りた金をみんな使ってもいい」と言われ、三四郎は混迷する。
 それから、与次郎と三四郎はある店に行く。そこで、美禰子とよし子の二人連れに遭遇。三四郎の勧めた品を美禰子が買う。ヘリオトロープの香水。

 三四郎を意識する美禰子。アプローチする美禰子。しかし、対応が微妙な三四郎。三四郎は美禰子の気持ちに気づいていない?

その8:
 原口さん宅にいる美禰子に金を返しにいく。たまたまモデル中の美禰子。終了後、ふたりで散歩に出る。三四郎は「あなたに会いに来ました。美禰子さんに会いに来ました。」と本音を明かす。結局、金を返さず。突然現れたある男性が美禰子を連れて行く。
 その直後、三四郎がインフルエンザになり寝込む。与次郎はよし子と見舞いに来る。その後、美禰子は元々よし子の夫になるはずだったある男性と結婚することになる。三四郎は、それを聞いてやり切れない気持ちになる。
 快復後、三四郎は美禰子のいる教会に会いに行く。三四郎は金を返す。ヘリオトロープ匂うハンカチを美禰子が渡す。美禰子は、「われは我が愆(とが)を知る。我が罪は常に我の前にあり。」と囁く。
 そして三四郎は、原口さんが描いた美禰子のモデル絵を野々宮さんと展覧会で観賞する。その絵のタイトルは“森の美女”。しかし、三四郎は「この題は悪い」と皮肉る。「じゃ、なんとすればいいんだ」という野々宮さんの問いには答えず、三四郎は「ストレイシープ」と呟く。

 “森の美女”というタイトルは、三四郎が初めて出会った場所にちなむ?筆者のいたずら心?美禰子は自分の心に噓をついて結婚。三四郎は、未熟な恋愛感情のままで最後を迎えることに。

(おわり)

2023/02/15
2023/2/15 ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想③

その5:
 それから、三四郎は与次郎から広田先生を紹介される。広田先生は、東京行きの列車で遭遇した風変わりな髭面男と判明。引き続き、三四郎は広田先生の引っ越しの手伝いをすることにもなる。その引っ越し先で、森で見た着物美女(病院で会った美女)と再会する。その美女は里見美禰子(みねこ)という名前。皆が集まる前に2人で掃除を始める。その間、三四郎は不思議な感覚に陥る。そして、広田先生、与次郎、野々宮さんが次々にやってくる。そこで、野々宮さんは「実妹よし子が退院した後の下宿先を探している」と言う。結局、野々宮さんと美禰子の兄が知り合いのこともあり、野々宮さんとよし子は美禰子の家に下宿することになる。それを知った三四郎はもやもやした気持ちになる。

 三四郎の心が揺れる。嫉妬心が芽生える。近いようで遠い存在の美禰子。しかし、まだ確信を得ていない三四郎。

その6:
 その後、広田先生、野々宮さん、三四郎、美禰子およびよし子は、菊人形展(菊でできた人形の展示会)に行く。途中、東京にホームレスがいることを知る。そこで、人波に酔った美禰子は体調を崩してしまい、三四郎は美禰子を川べりに連れて行く。「広田先生と野々宮さんが、急にいなくなった僕たちを探しているかもしれない」と三四郎は不安をもらす。すると、美禰子は「私たちは大きな迷子ですもの」と言う。さらに、「責任を取るのを嫌がる人だから」と意味深な発言をもらす。そのとき、水たまりでつまずいた美禰子を抱きかかえた三四郎は内心どぎまぎする。そんな三四郎をよそに、「迷子を英語で言うと?」美禰子は問う。そして、三四郎の耳元で「ストレイシープ(Stray sheep)」とささやく。

  新約聖書の語句で「迷える羊」を意味するストレイシープ(stray sheep)。三四郎は「迷える子羊」ってことか?それとも美禰子が?

(つづく)

2023/02/01
2023/2/1 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想②

その3:
 東京着。三四郎は晴れて東大生になる。そして、母の紹介で野々宮さんを訪ねる。最新の科学研究をしている野々宮さんは学問しか興味がなさそう。野々宮さんに挨拶後、三四郎はキャンパス内の森の中に入り、池の前で立ち止まる。少し遠くに看護婦と着物美女がいるのに気づく。その美女は小さな白い花を鼻に当てながら、三四郎の方へ歩いてくる。そして、三四郎の目の前でその花をぽとりと落とす。その美女が去った後、その花を拾って匂いを嗅いだ三四郎は、今まで感じたことのないような感覚を味わう。三四郎は「矛盾」と表現する。
 その直後、再び野々宮さんと遭遇し、三四郎は食事に誘われる。引き続き、野々宮さんに買い物(女性のリボン)に付き合わされる。

 東京で初めて出会った着物美女。三四郎の心に女性というものが宿る。新感覚が東京で芽生えたのであろう。

その4:
 三四郎は、大学生活で与次郎という人物と仲良くなる。ライスカレーを一緒に食べる。そして、与次郎が野々宮さんの師匠である広田先生の弟子と知る。野々宮さんと親しくなり、留守番を頼まれて一晩泊る。その夜、列車による自殺事件に遭遇する。さらに、野々宮さんに「入院中の実妹よし子に届け物をしてほしい」と頼まれる。素直に病院の15号室にいるよし子を訪ねる。部屋から出て間もなく、見覚えある女が向こうから歩いてくる。森の中ですれ違ったあの着物美女。偶然会うことに。美女は「15号室はどこですか?」と三四郎に尋ねる。三四郎が場所を答えると美女は去って行く。美女の後姿を見た三四郎は、かつて野々宮さんが買ったリボンを髪に付けていることに気づく。そして、気の重くなる脱力感に苛まれる。

 東京生活で友人のできた三四郎。人間関係についていくのがやっとの三四郎。意識した女性を身近に感じるようになり、感情が豊かになっていくのだろう。

(つづく)

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