「仁」という文字の本質
私に名前に「仁」がつく。「仁」とは・・・。
字源と形
「仁」は、人偏(亻)と「二」から成る。
これは二人の人間が向き合い、互いに支え合う姿を表す。
一人では「仁」は生まれず、人と人の間にのみ存在する徳――それが仁。
思想的背景(儒教)
孔子は『論語』で「仁」を最高の徳目として位置づけた。
「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」
「仁者は愛人す」(仁とは人を愛すること)
つまり、「仁」は単なる優しさではなく、自分を律しつつ相手を思いやる高度な人間力。
武士道における仁
武士道では「仁」は、武力を持つ者が持たねばならない慈悲と公正を意味した。
強さと優しさが同居する美徳であり、力がある者ほど必要とされる資質。
医療と仁
医は仁術――これは江戸時代から伝わる言葉。
医療行為は技術であると同時に、患者を思いやる「仁」の実践でなければならない。
仁なき医術は、ただの処置で終わる。
現代的なかっこよさ
「仁」とは温かい理性。
情に流されず、しかし冷たくもならず、正しさと優しさの均衡を保つ力。
それは一朝一夕では身につかず、生涯を通じて磨かれるもの。