ウクライナ戦争と墨子
「非攻(ひこう)」の思想が重要。
墨子(紀元前5世紀頃、中国の戦国時代の思想家)は、無用な戦争を戒め、平和と防衛を重視した人物。
彼の思想を現代のウクライナ戦争に当てはめることで、いくつかの視点が浮かび上がる。
1.墨子の「非攻」と戦争の正当化
墨子は「非攻」という考えを持ち、侵略戦争を強く否定した。彼は「強国が弱国を攻めるのは不義であり、正当化できない」と述べた。ウクライナ戦争では、ロシアが軍事侵攻を行った。墨子の思想からすれば、非道徳的な行為とみなされる。
ただし、墨子は戦争を全否定していたわけではなく、「義のある戦い」、つまり防衛のための戦争は認めた。ウクライナが自国を守るために戦っている状況は、墨子の立場からも支持される可能性がある。
2.「兼愛(けんあい)」と国際社会の反応
「兼愛(すべての人を平等に愛する)」を説き、国家間でも相互に助け合うべきだとした。ウクライナ戦争では、西側諸国がウクライナを支援しているが、これは「兼愛」の実践とみることができる。戦争がもたらす悲劇を減らすために、武器供与や経済支援は墨子の考え方にも合致する。
3.戦争抑止のための技術と戦略
「守城術(防衛技術)」にも関心を持ち、戦争を防ぐための技術革新を重視した。現代のウクライナ戦争でも、ドローンやミサイル防衛システムが戦争の形を大きく変えている。墨子思想からすれば、技術を単なる攻撃手段ではなく、防衛や戦争抑止のために活用することを重要視する。
結論
墨子の思想を現代のウクライナ戦争に当てはめると、
①侵略戦争は不義であり、批判されるべきもの
②しかし、防衛のための戦いは正当化される
③国際社会が困っている国を助けるのは道徳的に正しい
④戦争を抑止するための技術や戦略を発展させることが重要
2500年以上前の思想家である墨子。
彼の平和思想は現代の戦争にも示唆を与えてくれる。