酒呑みの戯言
NHKの朝ドラ“らんまん”を見ていると、幼い頃耳にした言葉や、しきたりが出てきて、造り酒屋の長男で跡を継がなかった自分の幼い頃とつい重なって、何か甘酸っぱい思いが湧く。
甑(こしき)倒し、呑みきり、もやし、もろみ、下戸。
妹は幼い頃一度も酒蔵に入れてもらえなかったらしい。蔵元である父親は、全くの下戸で、“酒呑みは酒の味の批判ができない。ゆえに酒呑みは酒屋に向かない。”が持論だった。
それなら酒屋にならん。自分は中学で、すでに酒好きだった。
今でも日本酒が好きで、洋酒は悪く酔うが日本酒は優しく酔う。
そんな訳で、日本酒について蘊蓄を傾けたいと思う。
今回は日本酒の種類を見てみよう。いろんな分け方があるが、特定名称酒について。
特定名称酒は、吟醸酒、純米酒、本醸造酒の3つに分けられ、そこからさらに原料や製造方法の違いにより8種類に分類される。
吟醸酒:精米歩合が60%以下で、低温でゆっくりと発酵させる吟醸造りで造られた日本酒。吟醸造りで精米歩合が60%以下のものは「吟醸酒」、50%以下のものは「大吟醸酒」。
純米酒:米、米麹、水のみで造られる日本酒。精米歩合60%以下の吟醸造りで造られた純米酒は「純米吟醸酒」、精米歩合が50%以下の吟醸造りの純米酒は「純米大吟醸酒」、特別な製法で造られたものは「特別純米酒」と分類される。
本醸造酒:醸造アルコールが含まれている日本酒で、精米歩合70%以下は「本醸造酒」、精米歩合60%以下または特別な製法をとった本醸造酒で色沢が特に良好なものは「特別本醸造酒」
みな個性があって美味しい。ぜひそれぞれ味わってほしい。
今はなき淵田酒造場の酒蔵