2023/10/15 ブログ
坊っちゃん(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想④~
その5:
生卵までぶつけて、赤シャツ(教頭)と野だいこ(美術教師)に恨みを晴らした山嵐と坊っちゃん。坊っちゃんは、その勢いで教師を辞めて故郷へ帰る支度をし、東京へと戻った。知人の斡旋で市電の技術者になり、清と共に再び暮らし始めた。立派な家でなくても清は満足していたが、肺炎で亡くなった。亡くなる前日、清は坊ちゃんと同じ墓に入りたいとお願いしたため、清の墓は小日向の養源寺に置かれた。
最後まで無鉄砲の坊っちゃん。Might is right(力は正義)を是とする田舎の論理を非とした坊っちゃん。石ころでなく、生卵をぶつけたところにも優しさを感じる。筋を通して立派。清との都会生活は、短期間で質素ながらも心温まるハッピーエンドと言えよう。
愛媛県松山市は「坊ちゃん所縁の地」として市をアピールしているそうだ。関連施設や商品が多数ある。漱石が松山の中学校教師だった経験を下地に書かれている「坊っちゃん」。ただ、本作では赴任先とそこの人々を田舎や田舎者と罵っている。良い印象があったようには思えないが・・・。まあまあノーサイド。
私も愛媛名物「坊っちゃん団子」を堪能しました。餅と餡子(あんこ)の中間って食感かな。