2023/7/3 ブログ
2006年7月12日
NHK放送「その時 歴史が動いた」
排卵日(受胎期)はいつ? 荻野久作
ちょうどこの頃(今から約17年前)、小生は横浜でくすぶっていた。そんななか、帰郷を決意した番組がこれである。
地域医療(新潟の民間病院)から世界(医学先進国ドイツ)へ羽ばたいた荻野久作先生のノンフィクションである。
戦争あれども、医学は着実に進歩していた。地道な研究と逆転の発想である。
1924年、権威のない医師の学説を日本の医学界は無視したようだ。しかし、単身ドイツに渡り、世界的発見が見事に認められた。ところが教授職を断り、生涯勤務医を続けた。ブレない信念。「生まれてくる子供と母の命を守れ」という確固たる信念。荻野学説による避妊法には異議を唱えるほどの徹底ぶり。
地域医療で直面した大正時代の過酷な女性の状況。不妊による離縁や多産による死。男尊女卑の風潮で、妊娠出産に束縛される女性。当時、女性の平均寿命は43歳。
小生の愚作「勤務医にこだわる」は、生涯勤務医を貫いた荻野先生に憧れたからである。
地域医療でも新たな説は提唱できる。過敏性腸症候群として治療されている患者の中に、実は(慢性)ウエルシュ菌感染症が混ざっていることがある。ところが、権威ある学会での論文発表は叶わなかった。しかし、軽快して感謝してくれた患者が実際にいる。勤務医にこだわる理由である。