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2022/9/1 ブログ

8月24日で53歳になりました。誕生日ケーキを堪能しました。病院生活(単身赴任)3年目。いずれコロナとともに生きる時代が来るのでしょうか。多分そうでしょう(><)。

ようやく9月になりました。8月は何かと苦戦しました(T T)。憎きコロナウイルス(BA.5株)。来ないで欲しいBA.2.75株。来れば、危機的第8波。インフルエンザと来るなよ🙅。

さて、今回は東南アジア(インドネシア)の伝統医療を紹介します。かつて、小生は、インドネシアからの留学生の研究協力者を務めたこともあります。時には、民俗医療から思わぬ学びを授けられます。

「東南アジアの民俗医療」

トバ・バタック族の家(野外民俗博物館・リトルワールド):ちなみに、トバ・バタック族はキリスト教徒(プロテスタント)である。

1.はじめに

 インドネシアは、東南アジアの島々の大部分を占めており、スマトラなどの大きな島々と無数の小島々から成る熱帯気候の国である。スマトラやジャワ島などに3000㍍級の山々が連なり、地理的変化に富んでいる。ここにある植物は極めて多種多様かつ豊富であり、これらの植物資源を背景に古くから伝統医学が発展している。

2.インドネシアの伝統医学

 インドネシアの伝統医学は、インドと密接な関係があるといわれる。なぜなら、現代のインドネシアで広く用いられる生薬配合薬(ジャムゥ)の大部分はアーユルべーダと共通するからである。8世紀中頃にインドからヒンズー教と共に伝えられたと考えられている。しかし、その医療体系は患者の問診を主とし、他の伝統医学で見られるような触診はなく、症状を聞いて最適な生薬を配合するという。現代医学の感覚からすれば、医師というより薬剤師に近いかもしれない。配合生薬の種類や調合法、処方目標はすべて口伝により伝承される(ほとんど世襲化)。治療理論に相当するものはなく(寒熱二元論の程度であり)、その地理上の位置を考えるとアーユルベーダだけでなく、他の伝統医学の影響も受けているようである。

3.インドネシア伝統医ドゥクン

 インドネシア社会における医療体制について、西洋医学による公立病院や保健センターなどが都市部に存在する。医師数は少なく、10万人当たり10人程度に過ぎない(2010年度)という。一方、地方ではドゥクンと呼ばれる民間医(呪術師、祈祷師も含む)によって病気の治療が施される。出産、魔除け、占いや予言なども行われ、現代においてもなお人々の生活に深く溶け込んでいる。ちなみに、ドゥクンはほとんどが世襲制である。山野に自生する薬用植物を用いてマラリアなどの熱帯病治療や骨折などの外科治療、出産などに対応している。

4.伝統医薬品ジャムウ

 ジャワ島にはジャムウと呼ばれる伝統医薬品がある。ジャムウとは、ジャワ語で「植物の根や葉などから作られた薬」という意味である。また、生薬製剤を含めた植物起源の医薬品の総称でもある。遺跡ボロブドール(780〜833年頃建立)の仏塔にある回廊壁にジャムウを調合する女性が描かれている。ブランバナン寺院群(9世紀初頭)でも同様である。ジャムウ調合法を記載した10〜11世紀の古文書がバリ島に残されている。今日、ジャムウの多くは製薬企業の工場で薬用植物の抽出エキスの粉末や錠剤、カプセルの形状で製造され、薬局などで販売されている。医学書に相当するものはなく、祖母や母から娘に継承される世襲的な医学知識を基にしているという。例えば、ジャムウに汎用される食用ショウガ科植物の含有成分を精査すると、フェニルプロパノイド類やセスキテルペン類などが含まれている。その有効性として、健胃、抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー、抗糖尿病、肝保護などの作用が証明されている。ジャムウに使用される薬草は何百種類もあり、代表的なウコンや生姜に加え、タマリンドやシナモン、レモングラスなど様々な植物が使用されている。ジャムウには植物の抽出液だけでなく、蜂蜜やその幼虫、タツノオトシゴやナマコの干物、乳や卵なども含まれている。漢方や栄養ドリンクのような滋養強壮に近い材料でもあり、風邪などで衰弱時に栄養補給として使用される。

5.まとめ

 伝統医学といえども、長い年月から知り得た生活の知恵である。ただただ感服するのみである。

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