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2023/7/2 ブログ

負の遺産???・・・素朴な疑問

 突然ですが、あなたが借金したら、あなたならどうしますか?以下の1.~4.の選択肢から選んでみてください。
(0.そもそも借金をしない)・・・理想的
 1.自分が返す・・・当然、常識
 2.子孫が返す・・・許容範囲内、前向き
 3.他人が返す・・・無責任
 4.踏み倒す・・・問題外、違法

 まず、小学校の担任の先生なら、生徒に1.を促す教育をすると思う。「借りたお金は自力で返しなさい。」と。小生の意見も1.であろう。「自分で返すのが正論。」に迷いはない。ただし、親子三代に渡っての一族プロジェクトなら、2.もあり得るであろう。「一族の繁栄を求めて・・・。」という確固たる信念を持って前向きに考えれば・・・。しかし、リスクを伴うこともあろう。3.は無責任。あり得ない。4.はさらに問題外。あり得ないし、違法である。

 ところで、以上の思考回路を参考に、次の①~③の3点につき、「借金(負の財産)的事案」に対して考察してみた。

①地球温暖化問題
 CO2削減対策である。まず、森林の伐採をなくす(0.)。そもそも、木造物を建築しないことは自然にやさしい。まず、問題にならない。
 伐採したら、その代わりに種や若木を植える(1.)。代償を払うことである。時間はかかるが、妥当な解決策に思える。
 代替エネルギーを新たに開発することも重要である(2.)。次世代に期待して、代替策を講じてもらう。時間はかかるが、妥当な解決策にも思える。ただし、新たに発見されるとは限らない。
 「3.他人が返す」的政策もあるだろう。他国に経済支援をすることで(代償を払うことで)、交換条件としてお願いする。自制しないところがあるので、無責任な側面を有するであろう。
 知らん振りしてのCO2排出(4.)は、まず許されないだろう。無責任すぎる。

②薬剤耐性菌問題
 抗菌薬が効かない細菌の出現を阻止する対策である。新しく登場してきた抗菌薬をむやみやたらに使うと薬剤耐性菌が出現する。抗菌薬の開発には時間がかかる。都合のいい物質(抗菌薬の原料)が近未来に発見されるとは限らない。
 一般的に適材適所というように、抗菌薬の適正使用(きちんと正しく使うこと)が基本である。トランプに例えると、万能的カードであるジョーカーばかりを使う必要はない。必要最小限的な使用を行い、いざとなったらジョーカーを使うセンスが求められている。蚊を一匹殺すのに、原爆を使用する必要はない。
 耐性菌の出現は人類にとって不利である。そもそも使わないこと(0.)は適正使用の一部に該当する。例えば、かぜ症候群(多くはウイルス感染症)に対して、抗菌薬を使わない。そもそも効かないから。
 1.的発想も適正使用に該当する。原因菌が予想される場合、ジョーカー的な抗菌薬(専門的には広域抗菌薬)を使う必要はない。原因菌に効く抗菌薬(専門的には狭域抗菌薬)を使えばいい。

③国家の借金問題
 現在、1000兆円を超えているという。とりあえず、贅沢せずに、先送りにしないで皆で返すことが先決では・・・。皆が我慢して、とりあえず借金を返すことが先決では?
 しかし、現状は如何に?国債発行ゼロは無理なのか(0.)?どうしてダメなのか?秘策があるのか?減税を主張する政党がどうして政権を獲れないのか?
 国家財政政策に対して、「1.自分が返す」的な政策はないように見える(実際あるのかもしれないが・・・)。日本国内で災害があれば、寄付金を募っているが、国民みんなで払いましょう的政策はないように思われる(実際あるのかもしれないが・・・)。緊急的かつ一時的な税金徴収を経験したことがないように思う。
 さて、「2.子孫が返す」的や「3.他人が返す」的な印象を受けるのは小生だけであろうか?つまり、先送り(国債発行)や課税改定(年金減額)で逃げ切られては困る。喫緊の課題は早急に対応しなければならないと思う。借金して無視することは出来ない(4.)が、「借金ある者に贅沢は禁物」という考え方は感覚的に正しいと思うが、実際は正しくないのかもしれない。
 経済の仕組みを知らない小生は、不勉強なのであろうか?
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 最後に、個人的には借金は早く返して、精神的に楽になりたいのだが・・・。踏み倒すことは出来ないし、他人任せの他力本願も望まないから。子孫にも負担をかけたくないから。
 こう考えるのは非国民なのであろうか?長期的に(長い目でみると)、国債発行は妥当なのであろうか?私には分からない。

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