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2023/3/15 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~番外編~

 この小説は個人主義がテーマという。個人の自由や意思を尊重する思想は軽視されていた時代。特に恋愛には重きが置かれず、それが結婚観によく表れている。結婚というのはもともと「家同士の契約」であり、そこに恋愛感情は必要とされていない。しかし、それに対抗して「好きな人と結婚したい!」という思想が西洋を中心に広がり始める。

例えば、森鷗外作の映画「舞姫Die Tänzerin」のある場面で、愛のない結婚を余儀なくさせられた貴族夫婦が登場する。夫人が日本の縁談事情を問うシーンがある。皮肉をいう主人の前で、日本も同じと答える。そこで、留学中の豊太郎(郷ひろみ主演)が「カイネリーベKeine Liebe?(訳:愛がない?)」と言う。西洋も親が縁談をまとめることに気づく・・・。

 話は戻るが、美禰子は自分を心から愛してくれる人に飢えていたことが読みとれる。不器用で野暮な三四郎を、自分を全力で好きでいてくれていると期待する。当時の時代背景も明らかに関係している。女性が自分から積極的に男性に告白するということ自体が考えられない時代。美禰子はひそかに三四郎から告白される必要性がなければならない。それゆえ、美禰子は平静を装いながら必死にアピールしまくる。うぶで鈍い三四郎は美禰子の想いをくみ取れず、時間が流れていく。
そして、美禰子の失望の象徴は「ストレイシープ」。一方、三四郎の失望の象徴は・・・、森の美女・・・、この題は悪い。


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今年も2か月が過ぎました。昨年から金澤ケーキを食べています。小生、実は三四郎を読みながらこのケーキを食べていました。一度、ご賞味ください。美味しいまろやかなケーキです。大学生時代に食べた記憶はあるようなないような・・・。

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