2023/2/15 ブログ
三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想③~
その5:
それから、三四郎は与次郎から広田先生を紹介される。広田先生は、東京行きの列車で遭遇した風変わりな髭面男と判明。引き続き、三四郎は広田先生の引っ越しの手伝いをすることにもなる。その引っ越し先で、森で見た着物美女(病院で会った美女)と再会する。その美女は里見美禰子(みねこ)という名前。皆が集まる前に2人で掃除を始める。その間、三四郎は不思議な感覚に陥る。そして、広田先生、与次郎、野々宮さんが次々にやってくる。そこで、野々宮さんは「実妹よし子が退院した後の下宿先を探している」と言う。結局、野々宮さんと美禰子の兄が知り合いのこともあり、野々宮さんとよし子は美禰子の家に下宿することになる。それを知った三四郎はもやもやした気持ちになる。
三四郎の心が揺れる。嫉妬心が芽生える。近いようで遠い存在の美禰子。しかし、まだ確信を得ていない三四郎。
その6:
その後、広田先生、野々宮さん、三四郎、美禰子およびよし子は、菊人形展(菊でできた人形の展示会)に行く。途中、東京にホームレスがいることを知る。そこで、人波に酔った美禰子は体調を崩してしまい、三四郎は美禰子を川べりに連れて行く。「広田先生と野々宮さんが、急にいなくなった僕たちを探しているかもしれない」と三四郎は不安をもらす。すると、美禰子は「私たちは大きな迷子ですもの」と言う。さらに、「責任を取るのを嫌がる人だから」と意味深な発言をもらす。そのとき、水たまりでつまずいた美禰子を抱きかかえた三四郎は内心どぎまぎする。そんな三四郎をよそに、「迷子を英語で言うと?」美禰子は問う。そして、三四郎の耳元で「ストレイシープ(Stray sheep)」とささやく。
新約聖書の語句で「迷える羊」を意味するストレイシープ(stray sheep)。三四郎は「迷える子羊」ってことか?それとも美禰子が?
(つづく)