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2023/2/1 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想②

その3:
 東京着。三四郎は晴れて東大生になる。そして、母の紹介で野々宮さんを訪ねる。最新の科学研究をしている野々宮さんは学問しか興味がなさそう。野々宮さんに挨拶後、三四郎はキャンパス内の森の中に入り、池の前で立ち止まる。少し遠くに看護婦と着物美女がいるのに気づく。その美女は小さな白い花を鼻に当てながら、三四郎の方へ歩いてくる。そして、三四郎の目の前でその花をぽとりと落とす。その美女が去った後、その花を拾って匂いを嗅いだ三四郎は、今まで感じたことのないような感覚を味わう。三四郎は「矛盾」と表現する。
 その直後、再び野々宮さんと遭遇し、三四郎は食事に誘われる。引き続き、野々宮さんに買い物(女性のリボン)に付き合わされる。

 東京で初めて出会った着物美女。三四郎の心に女性というものが宿る。新感覚が東京で芽生えたのであろう。

その4:
 三四郎は、大学生活で与次郎という人物と仲良くなる。ライスカレーを一緒に食べる。そして、与次郎が野々宮さんの師匠である広田先生の弟子と知る。野々宮さんと親しくなり、留守番を頼まれて一晩泊る。その夜、列車による自殺事件に遭遇する。さらに、野々宮さんに「入院中の実妹よし子に届け物をしてほしい」と頼まれる。素直に病院の15号室にいるよし子を訪ねる。部屋から出て間もなく、見覚えある女が向こうから歩いてくる。森の中ですれ違ったあの着物美女。偶然会うことに。美女は「15号室はどこですか?」と三四郎に尋ねる。三四郎が場所を答えると美女は去って行く。美女の後姿を見た三四郎は、かつて野々宮さんが買ったリボンを髪に付けていることに気づく。そして、気の重くなる脱力感に苛まれる。

 東京生活で友人のできた三四郎。人間関係についていくのがやっとの三四郎。意識した女性を身近に感じるようになり、感情が豊かになっていくのだろう。

(つづく)

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