2023/12/1 ブログ
神様のカルテ0(著者:夏川草介)を読んで
<第一印象>
医師作家の文学的センスに脱帽。臨場感抜群。
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主な登場人物(注:全巻の全体像を考慮した)
栗原一止(くりはらいちと)
主人公。信濃大学医学部6年生(~研修医)。学生寮「有明寮」に住む。読書を好み、特に夏目漱石を敬愛し、普段から口調がいささか古風。
進藤辰也(しんどうたつや)
栗原の同級生。地元出身(蕎麦屋)。頭脳明晰・成績優秀。後輩の如月(後述)と恋人関係。
砂山次郎(すなやまじろう)
栗原の同級生。北海道出身(酪農家)。優しい性格。ムードメーカー的存在。成績はイマイチ。追試の常連。
如月千夏(きさらぎちなつ)
栗原の後輩。テニス部に所属。明朗かつ真面目な性格。進藤とは恋人関係(~婚約?)。
片島榛名(かたしまはるな)
山岳写真家。栗原の卒業後の住まい御嶽荘(シェアハウス)の住人。あだ名「専務」。幼い頃に両親を亡くした。性格は絶品。
御嶽荘の住人
あだ名「学士殿」:男性、(偽りの)大学院生
あだ名「男爵」:男性、(自称)画家
あだ名「専務」:女性、(孤高の)山岳写真家
病院職員
大狸先生(あだ名)
内科部長、一止の指導医、狸腹が特徴的。
古狐先生(あだ名)
内科副部長、真面目な性格、不健康そう。大狸先生の同志。
院長先生
サンタクロース髭が特徴的。
事務長
病院の金庫番。豪腕ゆえにあだ名「大蔵省」。
姉さん女房(すでに他界)だったという。
ナース
救急ナース外村、病棟ナース東西
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その1 卒業試験・国家試験
夾竹桃(キョウチクトウ)が咲く、残暑厳しい8月。医師を志す医学部6年生にとって、この時期は国家試験の勉強中。非常に多忙で、立ちはだかる卒業試験の対策にも追われていた。まさに試練の時期でもある。社会人から医師を目指したシゲさんが、過剰飲酒による頭部打撲で意識混濁となり、救急搬送されるという事件が起きた。シゲさんはすでに留年が確定していたが、公言していなかった。一緒に学んできた仲間の脱落に落胆する余裕はなく、翌年にはそれぞれが別々の進路を歩むことに現実味を帯びてきた。
<感想>
同様の経験を有する小生。あの頃、卒業試験および国家試験の対策委員を各5人ずつ揃えて、万全の対策を断行した。結果、全員(96名)卒業および国家試験不合格2名(合格率98%)の実績であった。(なお、社会人から医師を目指した同級生も1名みえたが、3年次に大阪大学へ編入していった。)新研修医制度でなかったものの、卒後は全国に散らばっていった。
さて、夾竹桃(キョウチクトウ)の花言葉に「危険な愛」や「用心」がある。毒があるからという。用心すべき危険な時期と思われる。「国家試験に受からなかったら・・・、ただの人」と言われないためにも。