2023/11/29 ブログ
偶発腫瘍
画像検査で偶然に発見される腫瘍(良性悪性を問わず)を偶発腫瘍(incidentaloma)という。
その有病率および転帰がある論文で報告されている。
その結果、発見された部位にばらつきがあった。例えば、胸部CTにおいて、3分の1以上に認められたとのことだ。また、その悪性率は、脳、耳下腺および副腎で5%未満だったのに対し、腎、甲状腺や卵巣で約25%、さらに、乳房で42%と最高であったという。
(論文:O’Sullivan JW et al. Prevalence and outcomes of incidental imaging findings: umbrella review. BMJ. 2018 Jun 18;361)
臨床現場において、例えば、肝臓の検査ために腹部CTを撮ったら、腎臓に腫瘍が偶然見つかったということだ。ラッキーというしかない。
小生の最近の経験を次に示す。
肺の検査目的に胸部CT検査をしたら、左乳房に腫瘍が見つかった。
早速、乳腺外科に紹介した。
発見された腫瘍は良性であった。ところが、右乳房に早期がんが発見されるという珍事が起きた。
巡り巡って・・・、塞翁が馬。
小生のこころの空に虹がかかっていた。