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2023/11/15 ブログ

前回の続きである。古都金沢。
 昔話も伝言ゲームと同じように、言い伝えなので若干ずれることもある。

金沢の地名の伝説「芋掘り藤五郎」
 兼六園の横にある金沢神社の傍に「金城霊沢」という泉がある。この泉には「芋掘り藤五郎譚」という、金沢の地名の由来となった民話が伝わっている。無欲な藤五郎と賢く美しい和子の話は、金沢では知らない人がいないくらい親まれている。
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 昔々、今から1000年ぐらい前、加賀の山科(現在の金沢市郊外)という所に、山芋(自然薯)を掘って暮らす藤五郎という、貧しいけれど無欲で礼儀正しい若者がいた。
ある日、藤五郎のもとに大和の国から生玉方信(いくたまほうしん)という信心深い長者がある娘を連れて訪れた。夢で観音様のお告げがあったので、その和子(わご)という美しい娘を嫁にしてほしいと言った。藤五郎は断りましたが、長者はきかず、娘をおいて帰ってしまいました。
和子はたくさんの持参金を持って嫁いで来たが、藤五郎が貧しい人たちに分け与えてしまったので、すっかり無くなってしまった。生活があまりに貧しいので、和子は最初とまどったが、そのうち貧乏にも慣れ、藤五郎と仲むつまじく暮らしていた。
そんなある日、娘夫婦の貧乏を見かねた大和の実家から、砂金の入った袋を送ってきた。和子は大喜びで藤五郎に袋を渡し、さっそく食べ物や着物の買い物を頼んだ。
ところが、買い物に行く途中、藤五郎は通りかかった田んぼに雁の群れを見つけた。獲ろうとしたが、あいにく投げる石が見あたらず、そこに持っていた砂金の袋を投げつけた。雁は獲れず、投げた砂金袋もどこへいったかわからなくなった。仕方なく、藤五郎は手ぶらで帰ってきた。わけを聞いた和子は驚き、「あれだけのお金を、いくらなんでももったいない・・・。」と、和子は夫の人の良さにあまりにも情けなくなって怒り出した。藤五郎には、なんで和子が怒るのかわからなかった。「あんなもの、芋を掘るといっぱい付いてくるがな。」と平気な顔をして言い返した。
和子は半信半疑ながら藤五郎といっしょに山へ行き、二人で芋を掘った。そして、掘った芋を近くの泉で洗ってみた。すると、きれいな水の中に金色のつぶつぶがキラキラといっぱい光っていた。和子は藤五郎にそれが砂金であることを教えた。
藤五郎と和子は、たちまち大金持ちになった。しかし、二人は決してひとり占めにはせず、貧しい人たちに分け与えたため、暮らしは少しも変わらなかった。それでも二人は十分に幸せで、人々からは「芋掘り長者」と呼ばれて敬われた。
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感想
 金より名人芸。名声より実績。むしろ、自己満足かな。なかなか真似できないことである。人はそもそも欲深いからなあ。

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