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2023/1/15 定期ブログ

三四郎(夏目漱石著)を読んで ~あらすじと私の感想①

その1:
 日露戦争直後の日本。熊本から東京大学入学のために上京する三四郎(23歳)は、列車に乗り名古屋に向かう。そこで、乗り合わせたある美しい夫人(人妻)と知り合う。夫人は三四郎に「名古屋に行きますか?」と聞く。名古屋で乗り換えて東京に向かうと三四郎が答える。そこで、夫人は「一人では心細いので宿を一緒に探してほしい」と頼む。三四郎はそれを引き受けたのはいいものの、宿に着いたところで事件が勃発する。宿の人が三四郎と夫人を夫婦だと勘違いする。もちろん用意された部屋は一つ。三四郎は困惑するが夫人は承諾する。風呂に入っている三四郎の背中を流そうともする夫人。さらに布団も一つ。三四郎は仕方なく布団を真ん中で区切って、夫人と接しないように夜を明かす。翌朝、夫人と別れる際、「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」と言って夫人はにやりと笑う。夫人は関西線で四日市へ向かう。

 明治時代末期。23歳の大学生。現在の大学院生の年齢に相当する。名古屋でいきなりストイックな体験をすることになった三四郎。シェアの域を超えていたが、さすがに勇気は出ないだろう。若くて純粋な三四郎は、上京というだけで精一杯な心境であろう。夢で胸一杯だろう。学問学問学問・・・。
 夫人の行き先が四日市ということに親近感を思える。どこに行ったのであろうか?

その2:
 名古屋の出来事に煮え切らない三四郎。東京に向かう列車の中で、不思議な髭面男と出会う。ついでに富士山を初めて眺める。この男は戦争について良い印象を持っていない様子。態度も豪快。戦勝国日本に対して、「滅びるね」と迷いなく呟く。当時、国家批判はタブーとされる。この男の思想に驚愕する。西洋人にも遭遇する。

 故郷熊本を離れ、視野が広くなっていく三四郎。少しずつ、社会情勢を把握していく三四郎。初体験も多い。成長過程だろう。ちなみに、大日本帝国はその約40年後に敗戦を迎える。それにしても、筆者は予想していたのであろうか?単なる勘であろうか?

(つづく)

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