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2022/12/1 ブログ

東南アジア(タイ)の伝統医学

1.はじめに
 今回は、東南アジアのタイ伝統医学について語っていくことにした。

2.背景
 タイ医学は約2500年前から継承されている伝統医療である。伝統的処方、薬草学、助産婦学、古式マッサージの4分野から成る。古代インドの歴史的背景をもとに伝統療法を体系化し、仏教とともにタイに渡り、発展したとされる。ワットポー寺院の壁や柱にタイ医学や占星術・仏教教理・芸術・歴史などに関する絵や文章が描かれている。

 ぴっぴ便り(https://pippirotta.com/thai message/)より引用

こうして、仏教の教えをもとに癒しの神髄が生みだされたという。ちなみに、タイ古式マッサージは症状の改善効果が顕著にみられるというが、現代科学的な研究に基づくエビデンスを充分に得られていない。

3.タイ医学の本質
 人体に巡るSEN(タイ語で「線」という意味)というエネルギーラインを基本概念においている。SENは目に見えず、全身に72000本巡るという。その中を通るエネルギーが滞り、バランスを崩すことで病を引き起こすと伝えられた。数こそ違うものの、東洋医学でいう経絡と同様と考えられる。

 国際タイマッサージ協会ホームページより引用

ヒト(人)は、精神と身体で形成される。さらに、身体は地・水・風・火の4要素(四大素:タート・ソムットターン)で構成される。それぞれのバランスを大切にとらえ、個人の体質だけでなく環境とのバランスにも重きを置いている。他の伝統医学と同様、超自然的な原因も根強く信じられている。

4.四大素(タート・ソムットターン)
 地(土)、水、風、火の4要素のバランスが崩れたことによって病気になるという。地・土(タート・ディン)、水(タート・ナーム)、風(タート・ロム)および火(タート・ファイ)の4種類が病気の発生する場所であり、ここに異常が起こると病気になると考えられている。タートに直接関連するものだけでなく、季節、年齢、風土(土地柄・気候)、年代による影響、太陽・月の動き・宇宙の星、一日の時間帯や生活習慣など多様な要素が関連している。

5.まとめ
 伝統医学に多様性を感じるが、起源は古代文明(インドや中国)に収束する。醸成された伝統に神秘的な感覚を感じる。

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