2022/11/8 ブログ 号外
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利根川進博士 ~先達の知恵をちょいと借りて~
はじめに:高校時代にテレビで見た光景であるが、利根川先生がノーベル生理学医学賞と速報。
ある番組内容:
研究者としての心得を述べている。
いろんな能力が必要
質問力・・・何が分からないかをはっきりさせること
めげない力・・・失敗も多いからね
柔軟性
環境を重視・・・自由放任、本人に考えさせる
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定説:遺伝子配列に変化なし
1遺伝子1酵素説(蛋白質説):セントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク)
現実:ヒトの遺伝子は約3万。その抗体は100億種類以上。一対一の関係でない。
疑問:ヒトはなぜ多様な抗原(自然界に1000万種類以上の抗原が存在)に対する抗体を、(出会ってもいないのに)つくり出すことができるのか?
発見:1976年、定説(遺伝子配列に変化なし)を覆す研究
遺伝子再構成(DNAレベルのスプライシング)・・・遺伝子は配列を変える
H・ズッカーマン著、金子務監訳「科学エリート」玉川大学出版部 (keguanjp.com)
成果:1987年、ノーベル生理学医学賞(日本人第一号)
現在:脳科学の研究。マウスのうつ病。
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応用:この研究内容を少し応用して、「蕁麻疹」患者に以下のような説明をしている。
患者:すぐ来たんだ。原因を調べてくれ。
小生:・・・。
患者:血液でできるだろう。簡単に分かるはずだ。
小生:一般的検査+非特異的IgE+白血球数(好酸球数)で分かればいいが・・・。
実はすぐ調べてもダメ・・・他の抗原もつられて反応してしまうことがある。
ましてや、自然界に抗原が多すぎて調べきれないのが本音。
自然界の抗原1000万種類以上に対して、抗体産生100億種類以上(約3兆種類?)。
患者:・・・。
小生:アレルギーを抑える薬を処方しますね。
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現実:蕁麻疹の70%は原因不明とされている。
解釈:まだまだ未知数のアレルギー。研究の進歩を期待する。