福沢諭吉「学問のすすめ」
明治時代の初期(1872年)に出されて、日本の近代化に大きな影響を与えた。当時の日本は、江戸時代が終わって新しい国づくりが始まった頃。人びとは身分制度にしばられていて、武士や農民などで差別があった。
「学問ノススメ」は全17編から成り、学ぶことの重要性や人生で実践すべき態度について、多面的に説かれている。
第1編:人は生まれながら平等、違いは学ぶ努力の差
有名な「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。」という言葉で始まる。人間の違いは学問の有無で生じる。だからこそ、学ぶことが大切だと。
第2編:自由と独立のためには学問が必要
自分の力で生きるため、自由や独立を守るには知識が必須だと。
第3編:学問は誰のためでもなく自分のため
親や先生のために学ぶのではなく、自分自身の幸せと成長のために学ぶべきだと。
第4編:学者や専門家のための学問のあり方
学問を深める人たちには、責任と態度が求められる。内容はやや難しいが、知識を持つ者ほど謙虚さが必要だと。
第5編:学問と実生活の結びつき
知識を得て終わりではなく、社会で役立てることが必要だと。その応用力が大事だと。
第6編:学ぶ際の心構えと注意点
どんな分野にも無駄なことはなく、幅広く学ぶ姿勢が肝心だと。偏見や狭い見方をせず、柔軟な心で学ぶことだと。
第7編:学問の自由とその責任
知識や意見を自由に述べることは大切だが、他人の権利や社会秩序への配慮も必要だと。
第8編:学問による人格形成
学問は人格形成や人間関係にも影響する。知識と同時に品性を磨くことの大切さ。
第9編:より高いレベルを目指して学び続ける
満足せず、さらに高みを目指して学ぶ姿勢の重要性。
第10編:広い視野と長期的な考え方
短期的な利益だけでなく、広い視野で物事を見て、将来を見据えて学ぶべき。
第11編:地位や名声の本質
地位や名誉に流されず、中身のある人間になる努力が必要だと。
第12編:世の中に役立つ学問
自分のためだけでなく、社会や他人の役に立つ学問の意義にも目を向ける。
第13編:怨望(えんぼう)という悪徳
他人を羨んだりうらやんだりして足を引っ張る気持ち(怨望)は社会の悪だとし、自分らしく努力を続けようと勧める。
第14編:人生設計と自己管理
自分の人生や心を、商店の経営に例えて管理すること。計画的に生きる重要性を説く。
第15編:判断力を鍛える
ただ信じるだけでなく、疑問を持ち、冷静に物事を判断する力が学問の目的であると説明。
第16編:実行力と独立心
思っていることを実行に移す行動力、物質面と精神面の独立を目指す。理想に終わらず、実際の行動も重視。
第17編:人望と人間関係
人から信頼される「人望」は、知恵と正直な心から生まれる。言葉づかいや表情に気をつけ、さまざまな人と交流を大切に誠実な努力を重ねようと。
「学問ノススメ」は単なる勉強のススメだけでなく、人生を切り開くための多角的な指針を示している。
無学の小生。もっと早く気づいていれば、よかったけどなあ。まだ間に合うかな。