患者の視点とこれからの誓い ~明るく前を向いて~
小生、持病の眼病の影響で、白内障手術を受けた。2025/8/25の出来事。
見える(光がよみがえる)という喜びを感じている。ありがたいの一言。
小生自身に役に立つアドバイスをくれたすべての者に感謝しかない。
医師も患者になる。当たり前だ。良くなりたいと素直に思う。
くどいが、初恋の彼女に感謝しつつ(回想して)、田中角栄の言葉「学問は生きていく光」を思い出した。
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医師を目指した原点 ~初恋の贈り物~
私が医師を志すきっかけとなったのは、中学二年生のときの初恋でした。昭和58年、斜め前の席に座っていた彼女に一目惚れしました。数学が得意で、タイプの男性は「頭が良くてピアノが弾ける人」と聞き、私は「勉強で彼女を超え、ピアノ伴奏ができるようになろう」と決意しました。
ちょうどその頃、社会見学で訪れたのが愛知県犬山市の「リトルワールド」。写真を撮りたくてカメラを持参したものの先生に没収され、落ち込んでいたとき、バスの中で聴いた「あの素晴しい愛をもう一度」の歌声が胸に響きました。その曲を伴奏することが短期目標となり、将来医師になることを長期目標として掲げました。
ピアノ未経験でしたが、妹の楽器を借り、独学で練習を重ねました。文化祭では辛うじて伴奏を果たし、試験でも彼女を超える成績を収めました。ところがその直後、彼女の転校が知らされ、胸が張り裂けるような思いをしました。去り際に「いつかきっと会える」と心で誓い、医師を目指す覚悟を固めました。
その後、大学受験に失敗し浪人生活を送るなかで再び挫折しかけましたが、偶然のご縁から彼女に再会することができ、励ましを受けました。その出会いで心身ともに甦り、医学部合格へとつながりました。
私にとって彼女は「原点」そのものでした。短い時間の交流であっても、そこから得た誓いと努力の習慣が、今日まで私を支え続けています。
平成28年秋、眼の病を機に「終活の旅」を始め、令和元年秋には再びリトルワールドを訪れました。あのとき誓った「永遠に努力する」という気持ちを改めて確認し、今も医師として歩んでいます。
人生を方向づけたのは、誰かを想う心と出会いの力でした。私はその感謝を胸に、これからも患者さんに寄り添い、努力を続けていきたいと思います。
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さて、私の原点を振り返るとき、ふと田中角栄の言葉がよみがえります。「学歴は過去の栄光。学問は生きていく光だ。」肩書きや資格は、一瞬のきらめきにすぎません。けれども、学び続ける姿勢は人生を照らし、困難を切り拓く光となります。私が医師を志したあの日もまた、未来への光を求める決意にほかなりませんでした。
学歴は棚に飾るトロフィーのようなもの。しかし学問は、日々の診療や患者さんとの対話の中で息づき、血肉となって私を支えてくれる。学び続けることでしか、人の痛みに寄り添い、希望をともに描くことはできないのだと、今あらためて感じています。
私の原点は、ただの過去ではなく、これからも歩みを導く「生きていく光」です。










