室町時代の後半 ~日野富子(八代将軍足利義政の正妻)の人物像~
ここにも尼将軍?
米の売買にも手を出す?
約500年前!現在の経済活動にも通じる手腕!
近年の研究では、日野富子が「応仁の乱の黒幕」や「日本三大悪女」とされてきた従来の評価に再検証が加わり、善人あるいは少なくとも悪女とは言い切れない人物像が明らかになってきたという。
主な根拠は以下の通り。
悪女説の根拠は史料の偏りや後世の評価という。もともと日野富子が「悪女」とされるのは、『応仁記』などの伝承や江戸時代以降の戯作などによるイメージの拡大解釈によるものが大きく、当時の実態を正確に反映しているとは限らない。
富子が乱の元凶とされる構図(富子+山名宗全 vs 義視+細川勝元)は、近年の研究では事実とは異なる点が指摘された。山名宗全と義視の関係も実際には良好だったとの分析もあり、必ずしも富子が一方的に義視排除を企てた事実は認められない。
富子が「金の亡者」「守銭奴」と言われた背景には、室町幕府自体の財政困難があり、やむなく自身が資産運用や蓄財に奔走せざるを得なかった側面もある。
幕府の発言力や存続を保つため、財力を高めるのが不可欠だったともされ、「好き好んで」金に執着していたわけではないという指摘もある。
応仁の乱の終結において、武力ではなく経済力や交渉力で混乱を鎮めた功労者であり、現代に求められるリーダー像と重ね合わせて高いマネジメント能力を評価する声も増えている。むしろ「終戦の功労者」「近代的な経済リーダー」と再評価されている。
最新の歴史小説や研究において、家や幕府の安定、領民の保護といった大義に生きた人物として描かれることも多く、個人的な欲望や「悪」ではなく、時代背景の制約の中で必死に責務を果たそうとしたと理解されている。
以上から、日野富子が「善人」とまでは断言できないが、近年の研究では、「偏った悪女イメージは否定されている。むしろ、有能な政治家・財政家として再評価されているというのが最新の通説という。
フェイクニュースとファクトニュースをどのように情報収集して、いかに分析することが大事なんだよな。