宇宙開発の影① ~成功するとは限らない~
アポロ13号の軌跡 ―「成功した失敗」
1970年4月11日打ち上げ。
目的は人類3回目の月面着陸。
司令船「オデッセイ」と月着陸船「アクエリアス」で構成。
打ち上げ後約56時間、酸素タンク爆発が発生。
原因は酸素タンク内の配線被覆が損傷していたこと。
酸素と電力の喪失により、月面着陸は中止。
月着陸船「アクエリアス」を“救命艇”として使用。約4分の噴射可能。
軌道計算をやり直し、月の重力を利用して(月周回軌道を経由して)帰還ルートに。
管制センター(ヒューストン)の即応力と宇宙飛行士の冷静な対処が大きかった。
エンジン開発者の陰ながらの協力があった。
二酸化炭素上昇に対して、NASAの「シミュレーション訓練」が有効に働いた。
致命的事故を回避し無事帰還できた。
教訓として、冗長性と緊急時の柔軟な資源活用の重要性。「失敗」から安全性向上の手段を学ぶ文化。