ソクラテスの弁明とは?
「ソクラテスの弁明」は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが裁判で自分の立場や考え方を語った内容を、弟子のプラトンがまとめた本。
- 裁判になった理由
ソクラテスは、アテネの町人たちとたくさん話し合い、「本当の知恵とは何か」「どう生きるのが良いのか」を問い続けた。しかし、それがきっかけで「自分の考えを押し付けて若者をダメにした」「神を信じていない」と勘違いされ、裁判にかけられた。 - ソクラテスの主張
次のように弁明(正当化の説明)した。
①本当の知恵とは「自分が何も知らない」と知ること(無知の知)。
②多くの人は自分が何でも知っていると思い込んでいるけれど、「わからないことが多い」と認めて、相手に質問して考えさせることを重要視。
③魂をよくすること(=心を育てること)が一番大事。
④お金や名誉よりも、自分の心や考え方を良くすることこそ幸せにつながる。 - 最後まで信念を変えず
ソクラテスは裁判(票決)で有罪になり、死刑を言い渡された。三十票差。しかし、考えを変えたり嘘をついたりして助かろうとはしなかった。「たとえ死ぬとしても、自分の信念を曲げない」と主張した。
ソクラテスの教えのエッセンス
無知の知: 自分が知らないことを知る勇気
問答法: 質問を通して相手に考えさせるやり方
魂への配慮: 自分の心・考え方を磨くことが一番大切