がん患者の敗血症
敗血症とは、簡単に言うと、細菌やウイルスなどの病原体に感染することによって、病原体が血液にのって全身に広がり、さまざまな影響がおよぼされ、心臓や肺などの重要臓器の機能障害(臓器不全)が起こる状態。可及的速やかに治療を行わないと死亡に至るきわめて危険な状態ともいえる。
子供の頃、侍ジャイアンツというマンガで、敗血症という言葉を初めて聞いた。
さて、病棟医経験25年以上の小生、24時間以内に敗血症で死亡した患者を僅かに経験している。
すべて、がん患者であった。その種類は、腎盂がん、膵臓がんおよび大腸がんであった。
小生は、これらを劇症型敗血症と呼んでいる。
ちなみに、良性疾患といえども壊死性筋膜炎という病気がある。これによる劇症型溶連菌感染症は死亡率が高い。
がん患者の予後は、感染症(特に敗血症)によって寿命が短くなるので、細心の注意が必要と考えている。