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素朴な疑問

 日本の司法における部分社会論に、「団体内部の規律問題については司法審査が及ばない」とする法理がある。「部分社会の法理」とも言われる。

 司法審査がどこまで可能であるかという判例をみると、「部分社会の内部の紛争は司法審査が及ばず、外部にまで影響を受けるものは審査の対象になる」と解釈できる。しかし、内部紛争の審査ができないとまでは言えず、部分社会の性質によって個別に判断を要するとされる。

 例えば、学生・生徒の校則違反や従業員の就業規則違反に対しての制裁は、学内制裁(退学など)や社内制裁(懲戒解雇など)の根拠になるが、賠償請求などの司法審査の対象とはならない。

少し難しいが・・・

 団体の内部事項に関する行為について、例えば、地方議会や大学などの内部紛争に関して、法律上の係争であれば司法審査に服するという原則の例外を認めている。純粋に内部事項の場合、事柄の性質上、それぞれの団体自治を尊重して司法審査を控える場合がある。

 ここでは、部分社会論という考え方が採用されている。これは、大学であれば大学内での法規範、協会であれば協会内での法規範、というように多様なコミュニティの中に各々ある自律的な法規範の存在を認め、法秩序の多元性を認める考え方である。

 このような考え方のもとでは各コミュニティー内での自律な法規範による組織と運営が尊重される。そこで、国立大学の単位認定が争われた富山大学事件(最判昭和52.3.15)で、最高裁は次のような判決を下している。

 大学は「一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成している」として、「単位授与行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情がない限り、純然たる大学内部の問題として大学の自主的・自律的な判断に委ねられるべき」とした。また、同時に学生が専攻科修了の要件を充足したにもかかわらず、大学がその認定をしないときは司法審査の対象になるとしている。

そこで・・・

 部分社会の法理は、「自分たちの領域(職場)では、自分たちのルールでやりなさい」ってこと???

 国(司法)は介入しませんよってこと???

そこである疑問が発生した。当てはまるかどうか分からないが・・・。ただし、資格取得者には、特段の問題がないものとする。

1.「国家資格①(普通自動車免許)を使ってはいけない」という職場の規定は、是(正)か?非(誤)か?

2.「国家資格②(解剖資格)を使ってはいけない」と病院の規定は、是(正)か?非(誤)か?

ちなみに、

 1.はあり得ないと思うので、非と考える。

 2.は自験例であり、是だった。

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